2006 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドマイクロカプセルによるパラジウムの選択的分離および回収
Project/Area Number |
17360450
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三村 均 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10091753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新堀 雄一 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90180562)
佐藤 修彰 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教授 (70154078)
林 拓道 産業技術総合研究所, 東北センター, 主任研究員 (20344228)
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Keywords | マイクロカプセル / パラジウム / 選択的分離 / 不溶性フェロシアン化物 / 有効利用 / 分離フィルタ |
Research Abstract |
不溶性フェロシアン化物のマイクロカプセル(MC)化およびパラジウムの吸着特性評価、キャラクタリゼーションおよびフィルムの製造を実施し、以下の成果を得た。 (1)KCuFC-MCへのPd吸着速度は、25℃より50℃で大きく、2dでPd^<2+>吸着率が99%を超えた。0.25MNa^+共存下においても、吸着速度の低下は認めらず、KNiFC-MCはKCuFC-MCよりも吸着速度は小さい。 (2)KCuFC-MCは、0.3〜7Mの広い硝酸濃度で、97.5%以上の高いPd^<2+>吸着率を示した。高濃度硝酸共存下で僅かにPd^<2+>吸着率が低下したが、MC構造の崩壊およびH^+とPd^<2+>の競合反応と考えられる。KCuFC-MCは25〜80℃の温度で、99%以上という高いPd^<2+>吸着率を示した。KCuFC-MCおよびKMFC-MCの温度依存性は、アルギネートゲル内のPd^<2+>の拡散速度が影響している。 (3)KCuFC-MC充填カラムによるPd^<2+>の破過特性を調べ、Feed溶液の硝酸濃度がPd^<2+>破過容量に与える影響は認められない。5Mの硝酸濃度において0.031mmol/gで、破過容量は最大値を示した。流速を更に低下できれば、破過容量の増加が期待できる。 (4)Pd^<2+>を吸着させたKCuFC-MCカラムに0.1Mのチオ尿素を通液し、Pd^<2+>の溶出を試みた。43mlの通液により、約92%のPd^<2+>をチオ尿素溶液中に溶出できた。Fe^<3+>も同時に検出されたが、チオ尿素の強力な錯化作用により、KCuFC結晶格子元素の:Fe^<3+>がチオ尿素錯体を形成し、KCuFC結晶格子が崩壊した可能性が示唆される。 (5)KCuFCとNa-ALGとの混練ゾルをロ紙上に塗布し、Pd^<2+>の水溶液を噴霧し、ろ紙を支持体として、厚さ数μmのKCuFC内包型アルギネートフィルムシートの調製に成功した。
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Research Products
(2 results)