2006 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系物理の手法に基づく地下水汚染予測モデルの実験的検証
Project/Area Number |
17360452
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
羽田野 祐子 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (60323276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武若 聡 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (80202167)
毛利 栄征 (独)農学工学研究所, 土質研究室, 室長 (90373224)
堀 俊和 (独)農学工学研究所, 土質研究室, 研究員 (20414451)
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Keywords | 環境技術 / 水質汚濁・土壌汚染防止 / フラクタル |
Research Abstract |
地層処分の際、地質媒体中の放射性物質の移流分散には、従来、移流分散方程式という支配方程式が広く用いられている。しかし実際のフィールド試験や屋内実験結果を正確に予測できない場合があることが知られている。これを受けて近年、現実の物質移行により近い新しい理論モデルが提案されており、本研究では実験的にこれらのモデルの検証を行う。H17年度以来、実験およびシミュレーションにより、実際の系をよりよく再現できるモデルを開発している。H18年度は特に、縦分散係数という巨視的パラメータを正確に表す方法を検討した。 【実験による成果】本年度は、まず実験において昨年度に引き続きサンドボックスによる透水実験を行った。昨年度の結果より、流入側タンクの水位調節をより厳密に行う必要があることが判明したため、流入側タンクを塩水で置換する手法の改良を行った。流入側タンクの幅を拡大し、置換の際マリオットタンクからの流入により水位の変動幅を小さくした。この結果、破過曲線に現れる二重のピークが、下流において改善した。また、破過曲線から求められた縦分散係数についてBluntらの研究結果をもとにペクレ数Peに対する依存性を検討した。以上の検討により、立て分散係数のPe依存性は流下距離が5m以上になると顕著に現れることが明らかになった。また、地質媒体に吸着する陽イオンでの測定を行うため、原子吸光光度計のセットアップを行った。 【理論解析による結果】連続時間ランダムウォークモデル(Continuous-Time Random Walk model ; CTRW)によるシミュレーションプログラムの改良を行った。これまで、固定された時刻における濃度プロファイルが得られるような計算を行っていたが、プログラムを書き換え、固定された位置(実験において測定した各チャンネルの位置に対応)における濃度プロファイルが得られるようにした。
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Research Products
(1 results)