2007 Fiscal Year Annual Research Report
複雑系物理の手法に基づく地下水汚染予測モデルの実験的検証
Project/Area Number |
17360452
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
羽田野 祐子 University of Tsukuba, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (60323276)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武若 聡 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 准教授 (80202167)
毛利 栄征 (独)農業工学研究所, 土質研究室, 室長 (90373224)
堀 俊和 (株)農業工学研究所, 土質研究室, 研究員 (20414451)
|
Keywords | 環境技術 / 水質汚濁・土壌汚染防止 / フラクタル |
Research Abstract |
地下水・土壌汚染による日常生活への影響が大きく取り上げられるようになり、正確な汚染状況の把握や長期的な予測が必要となっている。従来土壌における吸着のある汚染物質の挙動の予測は、以下の移流分散方程式(ADE)と呼ばれるものが用いられて来た。dC/dt=D/R d^2C/dx^2-v/R dC/dx,ここでDは分散係数、Cは濃度、Rは遅延係数、vは地下水の平均実流速、xは汚染源からの距離、tは放出後の経過時間である。この式は1950年代から広く用いられているもので、流速と分散係数が分かれば各位置・各時間での濃度予測に使われているが、Adams and Gelhar(1992)によるフィールド実験などにより実測値との大きなずれが指摘されている。そのため、本研究では連続時間ランダムウォークと呼ばれる新しい物質移動のモデルをADEの代わりに使うことを提案している。現在までに、土壌中で吸着を起こさない塩化物イオンや臭化物イオンではこの新しいモデルの有効性が確認されているが、陽イオン等の吸着系についてはまだ検証されていない。そこで今回は室内カラム試験を行い、その破過曲線を従来の移流分散方程式とフィッティングさせて結果が合致しない事を示し、新しく提案されている支配方程式である連続時間ランダムウォークとのフィッティングを行い、適用が可能であることを示した。
|
Research Products
(4 results)