2005 Fiscal Year Annual Research Report
複合破損を考慮した原子力仮想耐震シミュレータに関する研究
Project/Area Number |
17360453
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 忍 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90201053)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
塩谷 隆二 九州大学, 大学院・工学研究員, 助教授 (70282689)
宮村 倫司 日本大学, 工学部, 講師 (30282594)
大石 篤哉 徳島大学, 工学部, 講師 (70223716)
中林 靖 東洋大学, 工学部, 講師 (00349937)
|
Keywords | 並列計算力学 / 耐震解析 / 複合破損モデル / 原子炉 / 地球シミュレータ / グリッド / 動的解析 / 連成解析 |
Research Abstract |
本研究では,原子力システムの耐震性能評価に焦点を絞り,先進計算科学に基づき,原子力システムの地震荷重負荷時の極限強度を高精度に予測する仮想耐震シミュレータの開発研究を行っている.具体的には,世界最高レベルの計算機である地球シミュレータ及び代表的なグリッド環境であるITBL上で,シュラウドや燃料集合体,制御棒などの炉内構造機器を含む原子炉容器本体及び配管系やサポート機器の応答から極限強度までを丸ごとシミュレーションできる仮想耐震シミュレータの構築を目的としている. 今年度は、東京電力・日立製作所から提供を受けた2億自由度沸騰水型圧力容器(BWR)モデルの静応力解析を地球シミュレータ上の128ノードを利用し2.2TFLOPSという高い実行効率で行うことが可能となった.またバランシング領域分割法に多点拘束条件を組み込む手法を,節点対節点モデルに基づく接触問題に応用するためのアルゴリズムについて検討し,解析コードを開発した.これまで開発を進めてきた非圧縮性流体解析コードを移動境界問題へ対応させ,熱解析機能も追加した.陽解法衝撃接触解析コードの効率向上を図り,PCクラスタ環境においてもGPUを用いて演算速度を向上させるための基礎的検討を行った.不均一な構造物の脆性破壊を行う数値解析手法を確立した.この手法は,脆性破壊の主要因である亀裂に対して,ランダムに分布する不均一性に対応した複数の進展方向をあらかじめ設定するところに特徴がある.これらの機能拡張により流体-熱-構造連成解析を行う上での要素技術の確立を行った.これらの要素技術を繋ぎ合わせる分離反復型連成アルゴリズムの研究開発を行い,安定に解が求まることを確認した. 次年度以降,これらの個別の要素技術を着実に発展,統合し,稼動中の原子力プラントにおける冷却水,熱の影響を考慮した地震応答解析をパラメトリックに行いBWR設計開発への貢献を目指す.
|
Research Products
(6 results)