2005 Fiscal Year Annual Research Report
単電子操作計測手法を用いた超高精度放射線検出器要素技術の開発
Project/Area Number |
17360457
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河原林 順 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80283414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢一 名古屋大学, 工学部, 助手 (30324461)
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Keywords | AFM / SET / 陽極酸化 / クーロン振動 / CNT |
Research Abstract |
本年度は、以下の項目について実施した。 リファレンス用SETの作製技術の詳細な各種製造時パラメータを最適化した結果、二重角蒸着法により約200nmのドットサイズを持ち、3.2fFの静電容量を持つSETの作製に成功した。残念ながら、静電容量3.2fFのSETのクーロン振動等の特性測定を行うには、現有のクライオスタットの到達温度4.2Kでは温度条件的に困難であるため、特性評価は出来なかった。次年度に、3He冷凍機を用いて特性評価を行い、作製されたリファレンスSETの特性の評価を押さえる予定である。 二重角蒸着法により製作されるSETでは、現有クライオスタットでの特性評価が困難であるため、より小さい静電容量を持ったリファレンスSETの作製技術として、AFMによる陽極酸化法金属ドット系SETの作製技術の取得を行った。AFMを新規に導入し、スパッタリング法によりサファイア基板上に成膜された厚さ9nmのTi金属薄膜に対し、空気中におけるAFM探針を用いた局所陽極酸化を試みた。その結果、ドット及びソースドレーン部を抜き出すため、比較的先端半径の大きい探針を用いた場合の大面積陽極酸化に実験的に可能であることを確認し、その精度が約20nmであることを確認した。しかし、トンネルバリア部の酸化物を局所陽極酸化により生成するため、先端半径の小さい探針を用いた陽極酸化がまだ確認されていない。次年度は、Ti膜厚等のパラメータを変化させ、4.2Kでクーロン振動を観測するに十分な静電容量である190aFの接合を作製する予定である。 さらに次年度に、導入したAFMのナノマニピュレーションにより、CNTを用いたSETの作製に取りかかる予定である。
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