2006 Fiscal Year Annual Research Report
単電子操作計測手法を用いた超高精度放射線検出器要素技術の開発
Project/Area Number |
17360457
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河原林 順 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80283414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢一 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (30324461)
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Keywords | SET / AFM / クーロン振動 / CNT |
Research Abstract |
本年度は、以下の項目について実施した。 リファレンス用SETの作製技術の詳細な検討として、前年に引き続き各種製造時パラメータの最適化を検討した。SETの二重角蒸着法による作製パラメータで最も重要となるのは、トンネル障壁作成時の酸化プロセスの酸化時間と酸化圧力である。各種文献を調査し、Al/AlOx/Al単接合の作製を試みた結果、酸化時間30分、酸化圧力0.3Paにおいて、単接合トンネル電流特性が得られた。この結果より、トンネル障壁高き1.4eV,障壁厚さ2.2nmのトンネル接合が得られたと推定された。さらに、酸化圧力を0.3〜3Paに変化させて特性評価を行ったが、明確な厚み変化や障壁特性変化を得ることはできなかったが、概して1〜2eVの障壁高さ,1〜2nmの障壁厚さの接合が得られた。 上記SETの酸化膜圧特性を参考にして、各種製造時パラメータを最適化し、Al系金属薄膜の二重角蒸着法によりリファレンスSETの試作・特性評価を行った結果、ゲート電圧変調に対するクーロン振動信号を観察した。測定温度が4.2Kであるため、振動そのものの強度が弱い(振幅が10pA)ため、ノイズ成分が多く、SETの全容量や、チャージセンサーとしての特性評価等の詳細な検討を行うにはいたっていない。なお、ソースドレーン電圧が100mVを超えると、接合が金属的特性を示したため、何かしらの欠陥がトンネル障壁に導入されている可能性がある。今後は、3He拡散冷凍機などにより低温にし、詳細な特性評価を行う予定である。 さらに低ノイズでSETの特性を評価するために、ロックインアンプの導入を図った。その結果、コンダクタンス測定の際のばらつきが数十分の一になり、その有効性を示すことができた。今後はロックインアンプにより静的特性を評価し、その結果SETの特性評価を行うこととする予定である。
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Research Products
(1 results)