2007 Fiscal Year Annual Research Report
単電子操作計測手法を用いた超高精度放射線検出器要素技術の開発
Project/Area Number |
17360457
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河原林 順 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 准教授 (80283414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢一 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30324461)
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Keywords | 単電子素子 / AFM / 陽極酸化 / 加工精度 / チタン薄膜 |
Research Abstract |
単電子ポンプの作成のためには、前年度まで実施していた二重角蒸着法で全てを一度に作製するのは困難であるため、新しく電子ビームリソグラフィー支援走査型プローブ顕微鏡陽極酸化法を考案し、作製を試みた。 この新しい加工法は、電子線リソグラフィと蒸着装置により主要な構造物(Source、Drain、IslandとGate電極部分)を第一段階としてリフトオフ法により作製し、その後の第二段階としてAFM陽極酸化法により、Source・DrainとIsland部分の接点を酸化し、トンネル接合とすることで単電子ポンプを作製する手法である。全体の構造作製とトンネル接合の作製を別段階に分離することにより、二重角蒸着法で制御が困難であったトンネル接合の酸化膜のコントロールがより容易になると期待される。しかしながら、単電子ポンプ作製を行うために予め評価しなければならない項目として、陽極酸化法における最小酸化物サイズ及び酸化物作製位置精度の二つが上げられる。この二つのパラメータを評価するために以下にチタン薄膜の陽極酸化実験を行い、実験的検証を行った。なお、作製した酸化物はポイント形状とし、その直径と位置精度を評価した。 陽極酸化時の探針印加電圧及び湿度を変化させた結果、印加電圧を下げるに従って、また湿度を下げるに従って酸化物サイズが小さくなっていく傾向が確認された。さらに、湿度50%、印加電圧7Vで、直径33nmの酸化物ポイントを得ることができた。約30nmのポイント酸化物をトンネル接合とした場合、十分なトンネル電流が流れるものと期待され、必要な加工パラメータを確認することができた。 また、作成位置の制御性能を評価したところ、制度は23nmとなった。使用している探針先端の曲率半径が約25nmであることから、探針の位置決め精度はかなり高いことが予想されるが、実際のプロセスにはより曲率半径の小さい探針を必要とすることが判明した。
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Research Products
(2 results)