2005 Fiscal Year Annual Research Report
放射線誘起触媒の探索とその非均質系における反応機構の解明
Project/Area Number |
17360461
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
山田 禮司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, グループリーダー (90370486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永石 隆二 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 副主任研究員 (00354895)
籏野 嘉彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 先端基礎研究センター, センター長 (90016121)
北辻 章浩 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 原子力基礎工学研究部門, 副主任研究員 (30354898)
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Keywords | 放射線誘起反応 / 還元反応 / 水素生成 / 酸化物 / 6価クロム / 放射線分解 / 放射線触媒 / 非均質系 |
Research Abstract |
4-10eV相当の励起エネルギーを有する重水素ランプ(120-300nm)を光励起源とする極紫外分光実験装置の設計を行い、9月末に発注し3月末に納入された。本装置は、試料からの極紫外散乱光を積分球内で可視光に変化させることで反射分光を可能としている。また、極紫外光を照射しながら試料中に電圧をかけて、電流-電圧曲線を電気化学的手法で測定可能である。来年度以降に、本装置により可視光では励起出来ないバンドギャップ(Eg)を有する酸化物での励起電子に伴う触媒反応を調べ、放射線誘起触媒反応との比較検討をする。 熱及び酸などに安定なAl_2O_3、SiO_2、ZrO_2酸化物等に注目し、これらの粉体を純水並びに硫酸水溶液に混ぜた非均質系に、^<60>Coγ線(平均エネルギー1.25MeV)を照射し、金属イオンの還元反応並び水素生成反応を調べた。金属イオンに関しては、環境汚染の点で大きな問題となっているメッキ用6価Crの廃液処理の観点から、水溶液中の6価Crの放射線誘起反応による3価ないしは4価Crへの還元・無害化を目指し、還元反応のpH依存性および固体酸化物の添加効果を調べた。その結果、pHを下げることにより6価Crの還元は促進すること、6価Crがほとんど還元しない中性やアルカリ性溶液でも酸化物粉末添加により水溶液中の6価Crが顕著に還元すること等を見出した。 水素生成に関して、α-Al_2O_3、アナターゼ型TiO_2、ZrO_2、SiO_2(石英)、SiO_2・nH_2O(シリカゲル)などの酸化物の粉末を硫酸水溶液に混ぜた試料に^<60>Coγ線照射を行い、照射誘起水素生成量の硫酸濃度依存性、酸化物の種類や添加濃度依存性を調べた。その結果、酸化物の添加により水素生成量は大きく増加すること、添加量の増大に伴い水素生成量は増加すること、0.4-1.0Mの硫酸濃度付近で最大となる硫酸濃度依存性があること等を見出した。
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Research Products
(4 results)