2006 Fiscal Year Annual Research Report
高温太陽熱水分解のための反応性セラミックデバイスの開発
Project/Area Number |
17360463
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
児玉 竜也 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60272811)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
郷右近 展之 新潟大学, 自然科学系, 助手 (20361793)
清水 研一 名古屋大学, 大学院工学研究科, 助手 (60324000)
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Keywords | 集光太陽熱 / 水素製造 / エネルギー転換 / 水分解 / 熱化学サイクル / 金属酸化物 / サンベルト / 反応器 |
Research Abstract |
サンベルトで得られる高温太陽熱を利用し、水の熱分解で水素を製造する二段階水分解サイクルに必要とされる反応性セラミックデバイスの開発を行い、下記の研究成果を得た。 1.セラミック発泡体マトリックスの合成 反応性セラミック粉体の反応デバイス化のマトリックスとして、ジルコニア発泡体が熱衝撃に脆弱で、亀裂・破損が生じるという問題が起こったため、より耐性のあるSiC発泡体を黒崎播磨のスピンコート法により合成した。 2.マトリックスへの反応性セラミック担持法の検討と反応デバイスの合成・反応試験 これと並行して、初年度に開発したFe_3O_4/YSZを従来のジルコニア発泡体に担持したデバイスについて反応性を検討した。YSZをウオッシュコート法で、それにFe_3O_4を含浸法で担持したデバイスを作製し太陽炉シミュレータで反応試験を行った。熱還元温度1400℃、水分解温度1100℃の2段階サイクル反応で30サイクル以上の水素発生が観測された。1サイクル、デバイス1g当り2-3cm^3の水素発生量が得られた。しかし、NiFe_2O_4/m-ZrO_2の場合と同様にデバイスの亀裂が起こった。さらにFe_3O_4/YSZ粉末をウオッシュコート法によって直接発泡体に担持したデバイスも作製し反応試験を行った。約2.5-4cm^3の水素発生が得られたが、やはりデバイスに大きな亀裂が生じた。しかし、担持法としては後者が優れていることが分かった。 3.SiC発砲体のジルコニア被覆と太陽光照射耐久試験による性能評価 SiC発泡体に反応性セラミック粉体を担持する前にFe_3O_4に対して不活性のジルコニアで被覆することが必要であることが見出された。黒崎播磨のスピンコート法を応用して良好なジルコニア被覆をすることができた。一方、SiC発泡体マトリックスについては、太陽炉による太陽光照射下試験で良好な熱耐久性を有することが確認された。
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Research Products
(6 results)