2006 Fiscal Year Annual Research Report
固体構造における高速イオン移動のための階層型トンネルの設計
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17360464
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
八尾 健 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (50115953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日比野 光宏 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (20270910)
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Keywords | イオン導電性 / リチウムイオン電池 / バナジウムコバルト酸化物 / インターカレーション / 燃料電池 / 固体電解質 / 混合導電材料 |
Research Abstract |
【実施内容】 ・イオン伝導に適したチャンネルを有する酸化物であるCoV_3O_8において、リチウムイオン電池電極としての充放電挙動を明らかにするため、リチウム挿入量と閉回路電位(OCV)及び構造との関係を詳細に調べた。さらに、電極材料としての観点から電気化学的特性の改善を試みた。 ・イオン伝導チャンネルとなる酸素空孔を高密度に含むBa_2In_2_<5.5>において、異元素置換した試料を作製し、イオン及び電子の伝導挙動を調べた。また燃料電池電解質としての評価も行った。 【成果】 ・CoV_3O_8は放電過程(リチウム挿入過程)では2.3V付近で非常に緩やかにOCVが低下し、充電過程(リチウム脱離過程)では2.7V付近を中心として比較的急激にOCVが上昇した。放電過程での電流はほぼリチウムの挿入反応に使用されており電気化学的還元過程であることが明らかとなった。CoV_3O_8はリチウム挿入に伴い構造が変化し、深い放電では非晶質に変化した。充電過程での大きな電位変化は、放電過程で生成した非晶質からのリチウム脱離であり、この非晶質が2サイクル目以降の可逆な充放電を担っていることがわかった。n-ブチルリチウムとの反応で得られた試料は、リチウム反応量の上限や構造など類似の挙動を示し、電気化学的にリチウム挿入した試料と等しいことがわかった。化学的にリチウムと反応した試料に対して充放電測定を行った結果、不可逆容量の原因となった反応が完了しているため、CoV_3O_8に比べて1サイクル目における不可逆容量が小さくなり、放電過程で非晶質相生成に使用される電気量が低減できた。 ・Ba_2In_2O_<5.5>のInをCoやFeで置換した試料は高い電子導電及び酸化物イオン導電を示す材料であることを明らかにした。またBa_2LaInO_<5.5>を用いて一室式燃料電池を作製し、燃料供給条件と発電性能との相関を明らかにした。
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Research Products
(5 results)