2006 Fiscal Year Annual Research Report
相同DNA対合蛋白質の相同組換え開始機能とDNA複製開始機能の基礎
Project/Area Number |
17370004
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
柴田 武彦 独立行政法人理化学研究所, 柴田上席研究員研究室, 上席研究員 (70087550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
美川 務 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 研究員 (20321820)
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Keywords | 遺伝的組換え / 相同DNA組換え / 相同DNA対合反応 / RecA蛋白質 / Mhr1蛋白質 / RecO蛋白質 / CH-π相互作用 / ローリングサークル型DNA複製 |
Research Abstract |
相同DNA組換えの要である相同DNA対合反応は一般的にRecAやRad51等RecA型蛋白質がATPを補助因子として行なう。我々は、Mhr1等一群の原核・真核生物の蛋白質群がATPを必要とせずに相同DNA対合を行なうことを明らかにしてきた。本研究は、RecA型と非RecA型蛋白質による相同DNA対合反応の違いを分子レベルで解明・比較することで、相同DNA対合の基本機構を明らかにする目的で行った。RecA型蛋白質としてRecA(大腸菌、高度好熱細菌)を非RecA型蛋白質としてMhr1(パン酵母ミトコンドリア)とRecO(高度好熱細菌)を扱う。 平成18年度は以下の進展があった:1.NMR分光法を用いてRecOに結合した一本鎖DNA(ssDNA)がRecAやMhr1へ結合したssDNAと共通の立体構造を形成することを明らかにした。これにより、DNAに特有な糖・塩基間のCH-π相互作用を軸にした分子機構で相同DNA対合反応が起こるという仮説の普遍性が確認できた。2.RecA型蛋白質による相同DNA対合反応は、蛋白質がまずssDNA部分に結合した後、続いて二重鎖DNAと相互作用することで進行する。しかしながら、生体中のssDNA部分はssDNA結合蛋白質(SSB)に覆われているため、RecA型蛋白質は結合できない。我々は、試験管内反応解析の結果、RecOはsSBが結合したssDNAにも結合できること、また、電子顕微鏡による解析によりSSB-ssDNA複合体にRecOを与えるとRecO-ssDNA複合体と区別がつかない構造体になることを明らかにした。3.RecOはRecAが行う相同DNA組換えでの補助機能が知られているが、RecO・一本鎖DNA複合体にRecRが働くとRecAがssDNAへ結合できるようになることを明らかにした。2,3から、RecOについて新しい機構モデルを提唱できた。
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Research Products
(5 results)