2007 Fiscal Year Annual Research Report
システムアプローチによる微小節足動物群集の構造と機能の解明
Project/Area Number |
17370005
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齋藤 裕 Hokkaido University, 大学院・農学研究院, 教授 (20142698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 壮則 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 教授 (80206755)
佐原 健 北海道大学, 大学院・農学研究院, 助教 (30241368)
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Keywords | 生物圏現象 / 行動学 / 進化 / 動物 / 群集 / ハダニ / カブリダニ / ナガヒシダニ |
Research Abstract |
・群集構成の調査:イネ上科クマイザサ(北海道全域)、ススキ(九州、四国、タイ)を対象とした調査を継続し、それらの地域における天敵類と植食ダニ類のフォウナをほぼ把握した。 ・構成種の分子系統および個体群構造:科研支援員の協力の下に、ハダニ類の分子系統および個体群間の血縁度を測定するためのマイクロサテライト解析を実施、有効な候補を複数確認した。現在その個体群内、個体群間変異を確認中である。 ・種間相互作用の行動分析:2種のササ寄生ハダニの種分化が、それらと直接的関係の弱い大型捕食者によって引き起こされた可能性を示す事例を得、それを現在論文として投稿準備中である。 ・システムズモデル構築:タケに特異的なハダニ1種とススキに特異的なハダニ1種およびこれらに共通する捕食性天敵系をシミュレートするモデルを完成させた。そのモデルを用いて解析を実施した結果、このような複数系間を共通天敵が移動すると系の安定性が維持される条件が明らかになり、現在ササ・タケあるいはススキにおいて植物ダニ類の多様性が保たれている理由の1つがそこにあることが判明した。 ・また、動物間相互作用を個体間、種間について同時的に記述できるゲームモデルを開発し、共同と共生が起こる条件について一般性をもつ理論を構築した。 ・成果の発表:寄主植物転換による多様化(種分化)と認められた例についてはすでにAnn. Entomol. Soc. Amer. に投稿し、査読を受けている。また、ゲーム理論モデルの成果も現在Behav. Ecol. Sociobiol. に投稿し、査読を受けている。
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Research Products
(3 results)