2006 Fiscal Year Annual Research Report
XTHファミリーをモデルとした細胞型特異的な細胞壁構築の制御機構の分子解剖
Project/Area Number |
17370012
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西谷 和彦 東北大学, 大学院生命科学研究科, 教授 (60164555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 隆亮 東北大学, 大学院生命科学研究科, 講師 (90302083)
|
Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 植物 / 発現制御 / 発生・分化 |
Research Abstract |
XTHを細胞壁酵素のモデルとして用い、細胞型を決めるシグナルから、転写制御、細胞壁構築過程を経て、細胞型に固有の細胞・組織の形態構築に至る一連の過程を繋ぐ分子メカニズムの解明を目指した研究を計画した。一般に、植物体を構成する多種類の細胞型(組織の種類)は、それぞれに固有の細胞壁を持つ事が知られている。シロイヌナズナの根で発現するAtXTH17,AtXTH18、AtXTH19、AtXTH20の各遺伝子について、その発現制御および機能欠損の表現型を発現組織特異性と、機能分担という視点から解析した。その結果、AtXTH18が主根の伸長に必須であること、根の伸長域でのAtXTH19の転写がオーキシンのシグナル伝達経路の一つであるAXR2/IAA7を介して制御されていること、などを見いだしてきた。さらに、地上部の各組織で発現し、加水分解酵素としての機能を持つと考えられているAtXTH27およびAtXTH28が生殖器官の機能発現に必須の役割を担うことを明らかにした。そこで本研究ではシロイヌナズナの根で発現するAtXTH17,AtXTH18、AtXTH19、AtXTH20の各遺伝子について、その発現制御および機能欠損の表現型を解析した。その結果、AtXTH18の発現が、4遺伝子内で特段に高く、また、その発現をRNAi法により抑制すると、主根の伸長が抑制されたことから、同遺伝子は、根の伸長時に必須の細胞壁の動的過程に必須であると結論した。一方、axr2変異体との掛け合わせ実験から、AtXTH19の発現制御が、AXR2/IAA7を介したオーキシンのシグナル伝達経路下にあることを見いだした。地上部の各組織で発現し、加水分解酵素としての機能を持つと考えられているAtXTH27およびAtXTH28がそれぞれ維管束及び生殖器官の各発生段階に特異的な発現組織特異性を示し、それぞれの細胞型において必須の役割を担うことを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)