2005 Fiscal Year Annual Research Report
フォトトロピンファミリーが制御する葉緑体定位運動のシグナル伝達の解析
Project/Area Number |
17370013
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加川 貴俊 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教授 (70271533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 光宏 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助手 (00372342)
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Keywords | フォトトロピン / フィトクロム / シダ / 光受容体 / 大腸菌 / 再構成系 |
Research Abstract |
ホウライシダは、胞子発芽、原糸体の伸長・光屈性、細胞分裂のタイミング制御、葉緑体光定位運動等の生理現象、フィトクロムで制御されていることが知られており、3つのフィトクロム遺伝子が同定されている。そのうちphy3が光屈性と葉緑体光定位運動を制御するフィトクロムであることは同定されているが、他のフィトクロムがどの生理反応を制御するは不明である。一方、ホウライシダからフィトクロムを部分精製し分光学的特性を調べられたが、測定された分子種は判っていない。そこで、シダ植物におけるフィトクロムの機能や生化学的性質の全体像を明らかにすることを最終目標とし、本年は大腸菌によりシダフィトクロムを再構築系の開発を行った。 これまでシダ植物からはフィトクロム発色団合成関連酵素は得られていないので、ホウライシダからシロイヌナズナのAtHO1,AtHY2に相同な遺伝子AcHO1,AcHY2をクローニングした。ホウライシダ、シロイヌナズナ、藍藻のHO1とHY2,PCYAの遺伝子を組み合わせ、ファイトクロモビリンまたはファイコシアノビリンを合成する組み換え大腸菌を作出した。この大腸菌内でphy3発色団領域を発現させると、ホウライシダかシロイヌナズナのHY2の場合669nmにピークを持つ部分フィトクロムが作れたが、PCYAでは656nmだった。これらの結果は、ホウライシダでもシロイヌナズナ同様、発色団としてファイトクロモビリンを利用していることを示唆している。さらにLOVドメインを含む領域を発現回収し、吸収スペクトルを測定したところ、FMN特有の吸収を確認できた。
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Research Products
(2 results)