2006 Fiscal Year Annual Research Report
フォトトロピンファミリーが制御する葉緑体定位運動のシグナル伝達の解析
Project/Area Number |
17370013
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
加川 貴俊 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助教授 (70271533)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 光宏 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助手 (00372342)
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Keywords | 葉緑体光定位運動 / 光屈性 / 葉の伸展 / フォトトロピンファミリー / 光受容体 / フィトクロム |
Research Abstract |
フォトトロピンファミリーの光受容部位を大腸菌内で発現させ分光学的測光を行った。その中でも、緑藻植物ヒザオリの受容体であるネオクロームとフォトトロピン、およびフィトクロムで行った。2つのフォトトロピンのLOVドメインは、典型的な光吸収反応を示した。また光励起の状態の暗反転の速度は、photAで1/10になるのに約3分であり、photBで15秒程度であった。一方、ネオクロームのフィトクロムドメインはファイトクロモビリンとも結合しその吸収スペクトルは葉緑体定位運動の作用スペクトルと酷似していた。しかしながらLOVドメイン様領域はフラビンの結合は観察されなかった。そこでこのLOVドメインの機能を調べるためにゲル濾過による多量体形成を調べると、フィトクロム領域までは単量体として確認できるが、LOVドメイン様領域を含む融合タンパク質は多量体(4量体)として存在している可能性を認めた。つまりフラビンの結合がなくてもネオクロムのLOVドメイン様領域は多量体形成に機能していることを示唆している。 一方ホウライシダのフィトクロム3もネオクロムと同等のドメイン構造を持っている。しかし、LOVドメインはフラビンが結合しており、光吸収能が確認できる。しかし、フィトクロム領域とLOVドメインとの間には光学的相互作用は確認できない。つまりエネルギー転移などはなく独立した光吸収領域と思われる。一方、フィトクロム領域は典型的な青色・遠赤色光可逆性を示す。この光強度反応曲線は、これまで知られていた原糸体の光屈性と一致する。このことから青色光で誘導される原糸体の光屈性はフィトクロム領域を介した反応であることを示唆する。
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Research Products
(2 results)