2006 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエの味覚受容神経機構の分子生理学的研究
Project/Area Number |
17370027
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
谷村 禎一 九州大学, 大学院理学研究院, 助教授 (20142010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 顕 九州大学, 高等教育綜合開発研究センター, 助手 (40229539)
|
Keywords | ショウジョウバエ / 味覚 / 遺伝子 / トランスダクション / 投射パターン / Gタンパク質 |
Research Abstract |
ショウジョウバエの味受容細胞における受容機構を解明するために、新たな電気生理学的な記録法の確立を試みた。感覚子の基部にタングステン電極を挿入することにより味受容細胞の神経応答を数10分にわたり記録することが可能になった。この記録方法により、刺激が行われていない時、また刺激後の味受容細胞の活動が記録できる。その結果、糖と苦味の味受容細胞は自発発火していることがわかった。刺激後の応答は糖受容細胞では数ミリ秒間しか続かないのに対し、苦味受容では数百ミリ秒も応答が持続していることがあることが観察された。この記録法は、味受容の応答特性を分子レベル・細胞レベルで研究する上で強力なツールの一つとなると思われる。タングステン電極記録法では刺激物質が水溶性である必要はない。そこで、リガンドが同定されている嗅覚受容体をGAL4/UAS法を用いて特定の味受容細胞で発現させた。その結果、味受容細胞が匂い物質に対して応答するようになることが明らかになった。種々の匂い物質に対する応答性は、嗅細胞で得られているものと同様であった。嗅覚受容体は味受容細胞に存在するトランスダクション機構を利用できると考えられる。嗅細胞で個々の嗅覚受容体は共通にOr83bと協調して機能することが知られていたが、味受容細胞においても両者の発現が必要であった。さらに、嗅受容体を発現させる味受容細胞をかえることにより、異なる味細胞からの情報がどのような行動を引きおこすかを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)