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2006 Fiscal Year Annual Research Report

アブラムシにおける種分化機構の解明

Research Project

Project/Area Number 17370028
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

秋元 信一  北海道大学, 大学院農学研究院, 助教授 (30175161)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 青木 重幸  立正大学, 経済学部, 教授 (30159280)
片桐 千仭  北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (90002245)
ハ尾 泉  北海道大学, 大学院理学研究院, 学術研究員 (70374204)
Keywords分子系統 / ミトコンドリア / 種分化 / 地理的変動 / ホストレース / ゴール / アブラムシ
Research Abstract

18年度には、ワタムシ亜科に属するアブラムシの分子系統をほぼ完成させ、この亜科のゴールアブラムシに見られる積分化の傾向を明らかにすることができた。形態的に同-種と見ることのできる種に対しては、広範囲にわたる分布域から個体を採集し、遺伝的分化の程度を評価した場合でも、ほとんどのケースで2%を超える遺伝的分化は見いだせなかった。例えば、Tetraneura nigriabdominalis種群は、ヨーロッパから東アジアまで分布するものの、アジアの集団と西ヨーロッパの集団の間にほとんど分化が見られなかった。したがって、Tetraneura nigriabdominalis種群は、ユーラシア全体に急速に分布を広げたと考えることができる。さらに、Colophakansugeiは、西日本から中国南部、タイ、ネパールにかけて広域に分布している種であるが、本種の各集団間の遺伝的分化を定量化したところ、最も離れた東京とネパール間の遺伝的距離を調べても1.5%ほどの分化しか見られず、第四紀に入ってから急速に分布を広げた種であることが明らかとなった。一方、同所的に同一植物にゴールを形成する複数種は、最も近縁な積をとっても、ミトコンドリアCOlの配列で比較すると5%近い分化の程度を示すことが明らかとなった。したがって、同所性を示す近縁種はきわめて古い時代に種分化を完了しており、最近の数十万年に種分化が進んだ兆候は見られなかった。これに対して、host raceとして知られる寄主植物を異にする集団間では、やはり遺伝的分化の程度は軽微で、種内変異の枠内に収まっていた。以上のことから、ゴールアブラムシのように、特定の植物に特殊化を遂げている昆虫においては、遺伝子流動によって種分化は阻止されていることが示唆された

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Inbreeding depression, increased phenotypic variance and a trade-off between gonads and appendages in selfed progeny of the aphid Prociphilus oriens2006

    • Author(s)
      S.Akimoto
    • Journal Title

      Evolution 60

      Pages: 77-86

URL: 

Published: 2008-05-08   Modified: 2016-04-21  

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