2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17370036
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
濡木 理 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (10272460)
|
Keywords | リボヌクレオプロテイン / トランスファーRNA / RNAプロセシング / RNAの転写後修飾 / 遺伝暗号翻訳 / アミノアシルtRNA合成酵素 / X線結晶構造解析 / 変異体解析 |
Research Abstract |
tRNAプロセシング酵素の構造解析に関しては、古細菌のCCA付加酵素と各反応ステップのプライマーtRNA(ミニヘリックス)とATPおよびCTPの複合体、計6種類の結晶構造を解明した。その結果、CCA付加酵素が、鋳型DNAなしでも決まったCCA配列を重合できるダイナミックなメカニズムを解明することに成功した(Nature,2006)。tRNA修飾酵素の構造解析に関しては、tRNAのアンチコドン1字目のウリジンに硫黄を導入するMnmAとtRNAの複合体に関して、3反応ステップの結晶構造を解明した。その結果、MnmAが反応生の高い硫黄原子を、水分子等と副反応させることなく、tRNAの決まった位置に正確に導入できる機構を解明した(Nature,2006)。アミノアシルtRNA合成に働く複合体の構造解析に関しては、古細菌において、新規にGln-tRNA^<Gln>を合成するアミド基転移酵素GatDEとtRNA^<Gln>の結晶構造を解明した。その結果、GatDEがグルタミンの加水分解によるアンモニアの産生、Glu-tRNA^<Gln>のグルタミル基のリン酸化、さらにアミド基転移反応の3反応をいかに連携して触媒しているかを明らかにした。特に、GatDとGatEの活性部位をつなぐ分子トンネルがアンモニアの運搬に働いていることをつきとめた(Science,2006)。また、古細菌において新規にCys-tRNA^<Cys>およびSec-tRNA^<Sec>を合成する、SepCysSおよびSepSecSの結晶解析を行っている。SepCysSとtRNACysの複合体の結晶に関しては、4Å分解能の回折データを収集した。一方、SepSecSに関しては、酵素単独の結晶構造を2.5Å分解能で決定し、反応機構を示唆することに成功した(論文準備中)。真核細胞のタンパク質・RNA複合体のX線結晶構造解析に関しては、ガイドRNAに規定された配列の基質RNAにメチル化修飾を行うリボヌクレオプロテインであるbox C/D snoRNPに関して、リボヌクレオプロテインの共発現系を構築し、ガイドRNA・基質RNAとの複合体の結晶化に予備的に成功した。また、真核細胞のRNAポリメラーゼの伸長速度を促進するpTEF-bキナーゼを不活性化するHEXIMlと7sk snRNAの大量調製系を構築し、ゲルシフトにより結合を確認し、結晶化を行っている。
|
Research Products
(7 results)