2007 Fiscal Year Annual Research Report
アセチルコリン受容体とラプシン複合体の構造機能研究
Project/Area Number |
17370042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮澤 淳夫 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体マルチソーム研究チーム, ヂームリーダー (60247252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 有里 独立行政法人理化学研究所, 生体マルチソーム研究チーム, 研究員 (20342826)
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Keywords | 神経筋接合部 / アセチルコリン受容体 / ラプシン / 電子顕微鏡 / 二次元結晶 / シナプス / 膜タンパク質 / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
脱感作状態におけるアセチルコリン受容体(nAChR)の構造と機能の解明のため、二次元結晶化の条件検討を行ってきた。界面活性剤は、昨年度の予備実験より可溶性に優れていたC_<12>E_8を用いて詳細に検討を行った。まず、ショ糖密度勾配遠心分離法により分画したシビレエイ電気器官のポストシナプス膜にC_<12>E_8を添加してnAChRを可溶化し、様々な脂質を加えた後、透析を行って二次元結晶化を検討した。その結果ホスファチジルエタノールアミンを添加した場合に、一部のnAChRが再構成された様子が観察できた。また、アフィニティーカラムを用いた高純度な精製も検討した。その結果、C_<12>E_8を用いることによって、Triton-X100を用いた時よりも高収量の二量体形成nAChRを得ることができた。このnAChRに様々な脂質を添加し、透析を行って二次元結晶化を検討しているが、現在までに効率良く再構成される条件は見つかっていない。透析後の溶液を観察したところ、リボソームは多数生じているが、大部分のnAChRはリボソームの外で凝集塊を形成することなく分散していた。このことから、C_<12>E_8はnAChRとの親和性が高く精製に適するが、再構成のためには他の界面活性剤についても検討を広げる必要があると考えられる。一方、凍結品ではなく生の日本産シビレエイの電気器官を用いて、AChRを可溶化することなく膜内で再配列させて二次元結晶化する方法についても検討を行ったが、日本産のシビレエイからは、フランス産のシビレエイで得られたような二次元結晶状に並んだ領域は検出されていない。さらに、ラプシンとの相互作用解析のために、細胞内領域を持たないnAChRのシアノバクテリアホモログをクローニングし、真核生物nAChRの細胞内領域を挿入したキメラタンパク質を培養細胞で発現させることができた。
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Research Products
(1 results)