2008 Fiscal Year Annual Research Report
アセチルコリン受容体とラプシン複合体の構造機能研究
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17370042
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
宮澤 淳夫 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体マルチソーム研究チーム, チームリーダー (60247252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 有里 独立行政法人理化学研究所, 生体マルチソーム研究チーム, 研究員 (20342826)
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Keywords | アセチルコリン受容体 / 二次元結晶化 / 精製 / 脱感作 / 再構成 / 界面活性剤 / 電子顕微鏡 / 神経筋接合部 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、脱感作状態におけるニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)の高分解能構造解明へ向けて、二次元結晶化の検討を行った。昨年度の結果より、C_<12>E_8を用いてnAChRの可溶化・精製を行うと、高い収率で高純度のnAChRが得られるが、透析によるC_<12>E_8の除去が困難であり、C_<12>E_8はnAChRの二次元結晶化に向かないと判断された。そこで、C_<12>E_8より臨界ミセル濃度の高い6種類の界面活性剤(decyl-maltopyranoside,LDAO,FOS-choline-12,C_<10>E_5,C_<10>E_9,cholate)について、可溶化・精製・二次元結晶化を試みた。その結果、非常に高い(80%〜)可溶性の得られたcholateやLDAOでは、精製途中でnAChRの凝集が起こり、nAChRが界面活性剤水溶液中で安定に存在できていないことが分かった。また、同様に高い可溶性の得られたFOS-choline-12では、精製途中での凝集に加えて、5量体サブユニットの解離が起こっていた。一方、可溶性が50%程度であったC_<10>E_9・decyl-maltopyranosideでは精製途中でnAChRは凝集塊を生じることなく、高い収量が得られた。それぞれの界面活性剤を用いて精製したnAChRに脂質を添加し、透析により二次元結晶化を行ったところ、安定にnAChRを精製することができたC_<12>C_9・decyl-maltopyranosideのうち、C_<12>E_9はC_<12>E_8の時と同様に透析による界面活性剤の除去が困難であったが、decyl-maltopyranosideを用いた場合に、nAChRは脂質二重膜へ最も効率よく再構成することができた。
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