2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖因子受容体のエンドソームにおける選別輸送制御の分子機構
Project/Area Number |
17370045
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
喜多村 直実 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (80107424)
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Keywords | 細胞増殖因子受容体 / エンドソーム / 選別輸送 / ユビキチン化 / 脱ユビキチン化酵素UBPY / ALG2 / Multivesicular body |
Research Abstract |
細胞増殖因子が受容体に結合すると両者は内在化し初期エンドソームに輸送される。その後初期エンドソームにおいて選別されリソソームに運ばれ分解される。この選別輸送において、受容体のユビキチン化が選別シグナルとして機能している。本研究では、エンドソームにおいて受容体の選別輸送の制御に関わる蛋白質である脱ユビキチン化酵素UBPYおよびALG2について解析し、以下の結果を得た。 (1)UBPYの酵素活性欠失変異体発現細胞およびUBPYをノックダウンした細胞では、ユビキチン化蛋白質がHrs陽性の初期エンドソームに蓄積した。さらにUBPY機能阻害細胞では初期エンドソームの形態変化が引き起こされた。電子顕微鏡観察により、エンドソームの形態変化はエンドソームの凝集であることが判明した。これらの結果は、UBPYはエンドソームの形態を正常に維持するために重要な役割を果していることを示唆している。 (2)UBPYの個体レベルでの選別輸送における機能を調べるためにノックアウトマウスを作成した。UBPYのホモ欠損マウスは胎生致死であった。したがってUBPYはマウスの胎生期におけるエンドソームでの選別輸送において必須の蛋白質であることが明らかになった。 (3)初期エンドソームに輸送された増殖因子受容体は、エンドソームの一形態であるMultivesicular body (MVB)の限界膜が内部に向けて陥入することにより形成される内部小胞へと運ばれる。この内部小胞形成におけるALG2の役割について、ALG2をノックダウンした細胞を用いて解析した。この細胞ではMVB内部小胞膜に特異的に存在するリン脂質LBPAの染色レベルが減少した。また電子顕微鏡による観察からもLBPAの量が減少していることが示された。これらの結果は、ALG2がMVB内部小胞の形成に重要な役割を果していることを示唆している。
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Research Products
(4 results)