2005 Fiscal Year Annual Research Report
Ras、RhoファミリーGTPaseの細胞内部位特異的な活性化の解析とその応用
Project/Area Number |
17370050
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 孝哉 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20251655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 修司 神戸大学, 大学院・医学系研究科, COE研究員 (50379400)
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Keywords | Rac1 / GLUT4 / 筋肉 / インスリン |
Research Abstract |
平成17年度は、主として、筋細胞でのインスリン依存性糖取込み誘導のシグナル伝達系におけるRac1の機能解析を行なった。まず、筋細胞株L6をインスリン刺激すると、ホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PI3K)依存的に細胞膜表面でRac1が活性化されることを明らかにした。一方、Rac1の活性型変異体を異所性発現させると糖輸送担体GLUT4の細胞膜への移行が誘導されることも見い出した。さらに、siRNAにより内在性Rac1の発現をノックダウンすると、インスリン依存性のGLUT4の細胞膜への移行が阻害されることが明らかとなった。以上の結果より、Rac1の活性化がGLUT4の細胞膜への移行にとって必要十分であることが示唆された。さらに今年度は、PI3K依存性の細胞膜表面でのRac1の活性化を制御するグアニンヌクレオチド交換因子FLJ00068を同定した。実際、FLJ00068の活性型変異体は、インスリン刺激なしでも細胞膜表面のRac1を特異的に活性化し、GLUT4の細胞膜への移行を誘導した。一方、siRNAによって内在性FLJ00068の発現をノックダウンすると、GLUT4のインスリン依存性の細胞膜への移行が阻害された。また、Rac1やFLJ00068の活性型変異体によるGLUT4の細胞膜への移行の誘導の際には、セリン・トレオニンキナーゼAktの活性化はみられなかったが、阻害剤を用いてAktの活性を完全に阻害すると、GLUT4のインスリン依存性の細胞膜への移行は誘導されなくなることから、GLUT4の細胞膜への移行の誘導には、Aktのインスリン依存性活性化は必須ではないが、刺激非依存性の弱い活性は必要であることが示唆された。
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Research Products
(6 results)