2006 Fiscal Year Annual Research Report
Ras、RhoファミリーGTPaseの細胞内部位特異的な活性化の解析とその応用
Project/Area Number |
17370050
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 孝哉 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (20251655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 修司 神戸大学, 大学院医学系研究科, COE研究員 (50379400)
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Keywords | Rac1 / GLUT4 / 骨格筋 / インスリン / エンドサイトーシス / Ost / GABARAP |
Research Abstract |
平成18年度は、1筋細胞でのインスリン依存性糖取込み誘導のシグナル伝達系におけるRac1の機能解析、2受容体エンドサイトーシスのRac1による抑制機構の解析を行なった。1に関しては、ラット筋芽細胞株L6を用いて、昨年度までにインスリン刺激依存的な細胞膜表面でのRac1の活性化、Rac1の活性型変異体の異所性発現による糖輸送担体GLUT4の細胞膜への移行、siRNAによる内在性Rac1の発現のノックダウンによるインスリン依存性のGLUT4の細胞膜への移行の阻害などを見い出していた。今年度は、これらをin vitroで分化誘導した筋管でも確認するとともに、マウス骨格筋において検証を進めた。さらに、骨格筋特異的なRac1ノックアウトマウスを作製し、実際に骨格筋でのRac1の発現の著しい低下を認めたので、インスリン依存性のGLUT4の細胞膜への移行について検討する準備を進めている。2に関しては、ヒト子宮頸癌由来HeLa細胞を用いて、まず、Rac1の活性型変異体の異所性発現によるトランスフェリン受容体エンドサイトーシスの抑制、siRNAによる内在性Rac1の発現のノックダウンによるトランスフェリン受容体エンドサイトーシスの促進を示した。さらに、このシグナル伝達系においてRac1の制御に関与するグアニンヌクレオチド交換因子として、OstのスプライスバリアントであるOst-IIIを同定し、この分子が核周辺部位において特異的にRac1を活性化していることを明らかにした。また、Ost-IIIを負に制御する結合タンパク質として、γ-アミノブチル酸受容体結合タンパク質(GABARAP)を同定した。
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Research Products
(3 results)