2006 Fiscal Year Annual Research Report
フラビンを含む光センサー蛋白質における光情報変換機構の解明
Project/Area Number |
17370057
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
神取 秀樹 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (70202033)
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Keywords | 生物物理 / ナノバイオ / 生体分子 / 蛋白質 / 光スイッチ / フラビン / 赤外分光 / 水素結合 |
Research Abstract |
生物は光を情報へと変換するため、光センサーと呼ばれる一群の蛋白質をもっている。これまでに知られている動物の視物質、植物のフィトクロム、細菌のイエロープロテインはいずれも発色団の異性化反応によって光のエネルギーを蛋白質内部に取り込むが、最近になって発見されたフォトトロピンなど植物の青色光センサー蛋白質は、発色団として構造上、異性化反応が不可能なフラビン類をもつことが明らかになった。本研究では、フラビンを発色団とする光センサー蛋白質の光反応機構の解明を目的として、分光学的な解析を行っている。本年度は、以下のような成果が得られた。 これまでに我々のグループでは、赤外分光法を用いてフォトトロピンの発色団ドメインにおけるフラビンと近傍のシステインとの共有結合形成に伴うスペクトル変化を報告したところ、単一の中間体における温度依存的なスペクトルを観測し、これが蛋白質の段階的な構造変化によるものと考察した。しかしながら、得られた赤外スペクトルには発色団に由来する成分と蛋白質に由来する成分が混在しており、厳密な議論は両者の成分を分離して初めて可能になる。そこで、発色団と蛋白質をそれぞれ13Cで標識した試料の測定を行ったところ、それぞれの振動バンドを完全に帰属することができた。以前の予想通り、蛋白質の骨格は温度依存的な二次構造変化をすることが明らかになった。 フラビン結合型蛋白質の研究成果に加えて、異性化を初期反応とするロドプシンなどの研究も行った。これらの成果として、2006年に15編の原著論文を世に出すことができ、平成18年度には9件の国際会議における招待講演を受けている。
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Research Products
(14 results)