2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17370062
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
升方 久夫 大阪大学, 理学研究科, 教授 (00199689)
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Keywords | 複製開始点 / 細胞周期 / 染色体 / セントロメア / テロメア / マイクロアレイ / チェックポイント制御 / 分裂酵母 |
Research Abstract |
1.分裂酵母染色のpre-RC部位と複製開始点の網羅的同定 分裂酵母染色体上の複製開始点を網羅的に決定するために、精密タイリングアレイを用いて複製開始因子Orc1,Mcm6の結合部位を決定し460箇所の複製前複合体(pre-replicative compIex ; pre-RC〕部位を同定した。さらにS期初期でDNAに取り込まれたプロモデオキシウリジン(BrdU)部位を決定し306箇所の初期複製開始点を同定した(東工大白髭克彦博士との共同研究)。興味深いことに、セントロメア外部と接合調節部位のヘテロクロマチン領域はS期初期に複製したのに対し、テロメア近傍ヘテロクロマチン領域は初期に複製しなかった。またアーム領域ではS期初期に複製するかしないかは開始点の外部領域に支配されることを見いだした。さらにチェックポイント欠損cds1Δ株の結果から、チェックポイント機構はS期後期複製開始点、特にテロメア近傍を顕著に抑制することが判明した。以上の結果から染色体各機能ドメインの複製開始を特異的に制御するしくみの存在が示唆された。 2.分裂酵母複製装置結合機構の解析 複製は、S期での複製装置形成が2つの制御キナーゼによって制御されている。そのしくみを明らかにするために、分裂酵母染色体DNAの複製に必須なGINS(Go-Ichi-Nii-San)複合体を構成するPsf3の温度感受性変異株を作成し、複製装置形成過程をクロマチン免疫沈降法で解析した。その結果S期での複製装置形成を三段階に分けることができた。すなわち複製開始点にあるpre-RC複合体に、まずSId3が結合し、SId3に依存してGINSとCut5が結合し、それらにすべてに依存してCdc45が結合して複製装置が形成される。さらなる解析から、Cdc7キナーゼによって第一段階のSId3結合が制御されるのに対し、サイクリン依存キナーゼ(CDK)はGINSとCut5の結合を制御することを明らかにした。これらの違いは染色体領域特異的な複製時期制御モデルと合致するとともに、複製開始反応とチェックポイント制御や染色体接着との連携に重要な意味を持つと考えられる。
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Research Products
(5 results)