2006 Fiscal Year Annual Research Report
PCNAクランプによる複製と染色体接着の機能連係の研究
Project/Area Number |
17370064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
釣本 敏樹 九州大学, 理学研究院, 教授 (30163885)
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Keywords | 複製フォーク / 複製装置 / 染色体接着 / クランプ / クランプローダー / DNAポリメラーゼ |
Research Abstract |
DNAスライディングクランプ、PCNAは、真核生物の様々なDNA代謝の中心的役割を果たす。PCNAは、本来、複製因子RFCによってDNAにロードされるが、染色体接着因子Ctf18を含む複合体もPCNAのローダーとして機能する。そこでクランプ分子の機能特性がローダーによってどのように決められるかを明かにするための研究を進め,以下のような成果を得た。 1.ヒト細胞抽出液よりCtf18複合体が特異的に機能するための決定因子の検索を行った。その結果、ヒトpolηがCtf18複合体とPCNAによって特異的に活性促進されることを見出した。さらに、polηとCtf18-RFCの相互作用を解析したところ、両者の物理的相互作用が明らかとなり、Ctf18複合体が直接polηの活性を制御していることが示された。さらに両者の細胞内局在を解析し、それぞれの一部が核内で共局在することを明かにした。 2.polηとCtf18-RFCの関係に引き続き、他のDNAポリメラーゼとローダーの相互作用を解析したところ、polη-RFC間やCtf18複合体およびRFCとDNAポリメラーゼεにも特異的相互作用があった。このことはDNAポリメラーゼーローダー間の相互作用が多岐にわたり存在し、複製フォークでPCNAが機能する際の特異性の制御に重要な役割を果たしていることを示した。 3.チェックポイント応答系のクランプRad9-Husl-Rad1複合体の機能的特異性を決めるしくみを明かにするため、リン酸化を受けるRad9タンパク質のキナーゼの解析を行い、Rad9タンパク質がCKIIキナーゼと相互作用し、そのC末端の標的部位が特異的にリン酸化されることを明かにした。
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Research Products
(4 results)