2005 Fiscal Year Annual Research Report
制御された膜内タンパク質切断(RIP)の分子メカニズム
Project/Area Number |
17370068
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
秋山 芳展 京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (10192460)
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Keywords | 膜タンパク質 / プロテアーゼ / RIP / 膜内タンパク質切断 / ストレス応答 / 大腸菌 |
Research Abstract |
大腸菌の表層ストレス応答に関わる転写因子σ^Eは、通常は一回膜貫通蛋白質RseAの細胞質領域と結合して不活性状態に保たれている。細胞が表層ストレスに曝されると、RseAはまずDegSプロテアーゼによりペリプラズム領域で切断を受ける。我々は、RseAが、DegSに続いて膜プロテアーゼRsePにより2段階目の切断を受けること、この切断が表層ストレス応答(σ^Eの活性化)に必須であることを示した。RsePはRIPに関わるS2P蛋白質ファミリーの一員である。異常外膜タンパク質等は表層ストレスとなってDegSを活性化し、RseAの切断を誘導してストレス応答をトリガーする。通常、RsePは完全長のRseAには働くことはできず、DegSによる切断を受けたRseAの「分解中間体」を切断する。RsePによる完全長RseA切断の抑制は、ストレスに応答した遺伝子発現のために重要な機構である。RseP(4回膜貫通タンパク質)は、TM2とTM3の問にPDZドメインを含む大きなペリプラズム領域を持つ。我々は完全長RseA切断の抑制に、RsePペリプラズム領域の二つのPDZドメインが重要であることを明らかにした。また、精製蛋白質を用いて、DegS、RsePによるRseA由来モデル基質の2段階切断を再現する事に成功した。精製系ではRsePは完全長RseAペリプラズム領域を持つモデル基質を切断できず、基質がDegSによる切断を受けて始めて切断したが、PDZ変異体は、DegSに依存せずにこのモデル基質を切断した。これらの結果は、RsePの活性抑制機能はRsePが本来持つものであり、他のタンパク質因子を必要としないことを示している。さらに、大腸菌のrhomboidプロテアーゼホモログ、GlpGが膜タンパク質切断活性を持つことも明らかにした。
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Research Products
(3 results)