2005 Fiscal Year Annual Research Report
RasファミリーG蛋白質Rapl・R-Rasによる血管内皮細胞間接着の研究
Project/Area Number |
17370075
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
望月 直樹 国立循環器病センター(研究所), 循環器形態部, 部長 (30311426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 道隆 国立循環器病センター(研究所), 循環器形態部, 室長 (00190364)
福原 茂朋 国立循環器病センター(研究所), 循環器形態部, 室長 (70332880)
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Keywords | 細胞接着 / GTP結合蛋白質 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
血管内皮細胞間接着の低分子量GTP結合蛋白質Rap1,R-Rasの機能を明らかにすることを目的として研究をおこなった。Vascular endothelial cadherin(VE-cadherin)依存性の血管内皮細胞接着の定量化を行うために、VE-cadherinの細胞外ドメインとイムノグロブリンのFcとの融合蛋白質を精製して、培養皿にコートして接着性を検討した。また、細胞の可視化技術を駆使して分子の活性化と形態変化を同時観察して現象とシグナルの整合性の有無を確認しながら研究を遂行した。 主な研究成果 (1)Rap1が細胞接着依存性に活性化してさらに細胞間接着を増強させるというポジティブフィードバック調節系により血管内皮細胞間接着を制御していることを明らかにした。VE-cadherinの接着によりMAGI-1というPDZドメインを6つ持つ分子が細胞間接着部位にリクルートされた。さらにこのMAGI-1にPDZ-GEF1というRap1活性化因子が結合するために、MAGI-1-PDZ-GEF1が細胞間接着部位でRap1を活性化していることが予想された。実際にRap1が血管内皮細胞間接着により、活性化されるか否かを分子イメージングで検討したところ、自発的に動く血管内皮細胞では接着に伴ってRap1を細胞間接着部位で活性化させていることが確認できた。 (2)TPA依存性の細胞間接着増強作用はCalDAG-RRasを介していない可能性が考えられた。当初、TPAにより細胞間接着が増強されることからTPA刺激で活性化されるCalDAGによって活性化されるR-Rasが接着制御にかかわることを予想した。R-Rasの活性化因子であるCal-DAGファミリー分子の抗体を作製して、CalDAGの局在を検討したが、細胞間接着部位に検出できないことから、TPA依存性の接着にはCalDAG系ではなくPKCの関与が考えられた。 今後、内皮細胞間接着にR-Rasの調節機構が存在するのかをR-Ras活性化可視化分子を用いて検討する。
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Research Products
(7 results)