2007 Fiscal Year Annual Research Report
RasファミリーG蛋白質Rap1・R-Rasによる血管内皮細胞間接着の研究
Project/Area Number |
17370075
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
望月 直樹 National Cardiovascular Center Research Institute, 循環器形態部, 部長 (30311426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 茂朋 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室長 (70332880)
増田 道隆 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室長 (00190364)
川原 敦雄 国立循環器病センター研究所, 循環器形態部, 室長 (10362518)
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Keywords | 細胞接着 / GTP結合蛋白質 / 血管内皮細胞 |
Research Abstract |
研究目的:低分子量GTP結合蛋白質Rap1による細胞間接着のメカニズムを明かにすること 結果と考察:cAMPによってEpacが活性化してさらにRap1が活性化することで細胞間の裏打ち蛋白質であるアクチンの重合が促進されることを明かにした。このメカニズムとして、ミオシン軽鎖の燐酸化が促進されることが重要であると考えた。Rap1の下流でミオシン軽鎖(MLC)の燐酸化を誘導する分子として、PAKを先ず調べた。Rap1はCdc42の上流で機能すると考えられており、Cdc42の活性化から、PAKの燐酸化、ひいてはMLCの燐酸化につながると予想したからである。予想に反して、PAKの優勢劣性変異体の発現によっても細胞間接着部位を裏打ちするアクチンの束化は阻害されなかったことさらにはPAKのノックダウンによっても阻害が見られなかったことから、PAKがcAMP依存性の細胞間接着の増強作用にかかわることは否定された。VE-cadherinの接着部位でのダイナミクスを調べるために、FRAP法を用いて検討したところVE-cadherinが安定化している部位でも入れ替わることを突き止めた。これはVE-cadherinがendocytosisあるいは細胞膜上で移動しなければ、理解できない現象でありcAMPの活性化によってこのVE-cadherinの挙動が阻害されることからcAMPがendocytosisあるいは膜上での移動を抑制することを突き止めた。またEpac活性薬とPKAの活性化薬の両者でこの阻害効果が相加的に観察できることから、Rap1とPKAの活性化のがVE-cadherinの安定化に重要であることか示唆された。
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Research Products
(4 results)