2005 Fiscal Year Annual Research Report
成人脳性まひ者の車いすテクノアダプタビリティーの基礎的条件の検討
Project/Area Number |
17370091
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
八田 達夫 北海道大学, 医学部, 教授 (50189560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 方彦 長崎短期大学, 教授 (10038937)
井上 馨 北海道大学, 医学部, 教授 (80133718)
山中 正紀 北海道大学, 医学部, 教授 (40166757)
小林 法一 北海道大学, 医学部, 助手 (30333652)
真木 誠 北海道大学, 医学部, 助手 (40165668)
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Keywords | 生理人類学 / 医療・福祉 / 脳性まひ / 車いす / テクノアダプタビリティー |
Research Abstract |
成人脳性まひ者は車いす介入において最も厳しい条件におかれている。この条件の分析と介入法の確立は急務であり、その成果は脳性まひ者ばかりでなく幅広い障害への応用を開いていく。テクノアダプタビリティーとはヒトの科学技術製品への適応能力である。本研究は、この視点からヒトと車いすの接合面であるシート形状に焦点を当てて、その評価システムを構成した。計測対象は、臨床効果の報告されている"シーティングバギー"である。"シーティングバギー"は個々人に合わせて調整される。 札幌近郊と道南の2施設の対象44名分の内、37名分を計測した。データは、1)基礎資料;使用者の年齢、性、障害、使用歴、業者名、2)カメラ撮影;車いすと姿勢の写真、3)ビデオ撮影;車いすと姿勢運動の音声と映像記録、4)シート計測;3次元曲面計測装置TRiDY(JFEテクノロジー)の画像であった。 TRiDY計測は1台につき背もたれシート前面を9回、座面前面を3回、背もたれ後面を9回行った。空間座標処理によるモアレ像を中心としたシート構造の3次元的な分析を行った。続いて、Rapidform2006(INUS Technology)にて計測結果を合成し、シートの前面と後面の全体像を作成し、その特性を3次元的に分析した。続いてフレームとの合成、基準点からの計測を進めるためにCADファイルを作成した。個々のファイル化を終え、これらのデータをリンクさせたデータベースを作成中である。また、本研究では高機能な架台を製作した。これにより、本計測システムが臨床現場でも容易に稼働するものであることが確かめられた。 以上、初年度においては計測システムの構成、実験と分析方法の雛形を作成することができた。今回の計測結果から、27名分については微調整を含めて介入が必要と判断された。引き続き、当該施設にて次年度に詳細かつ多面的なデータ収集を行う予定である。
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