2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17370092
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久保 光徳 千葉大学, 工学部, 助教授 (60214996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 文雄 千葉大学, 工学部, 助教授 (30261887)
青木 弘行 千葉大学, 工学部, 教授 (20009757)
山中 敏正 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00261793)
|
Keywords | 積極的快 / 消極的快 / 自発的揺動刺激 / 快感情 / 振動刺激 / 生理反応 / 心理反応 / 物理反応 |
Research Abstract |
従来の振動・揺動研究は、人体に及ぼす不快な影響の生理的・主観的評価やその予測に興味が置かれている。そのために、それらの研究のほとんどは振動・揺動をいかに軽減できるかに着目した研究に特化することになり、振動自体を低減することが目標となっていた。これに対して、振動・揺動を積極的に活用する方向で研究を行っている例はほとんど見当たらないのが現状である。振動・揺動は人にとって不快感を与えるだけでなく、特定のそれは快感情を誘発する。そこで本研究においては、振動および揺動を「快」の視点から取り扱い、快感情を誘発する振動・揺動を生理・心理・物理の三指標から解明することをその目的とした。結果として,自発的揺動刺激実験により、血圧がその評価において有効な指標の一つであることが示唆された。また上下振動刺激実験から、ヒトは振動により消極的快と積極的快が誘発されることが明らかになり、その評価には血圧が有効な指標であることが示唆された。具体的には,「快と判断された周波数」は,"消極的快"に対応するものとして,低周波の0〜4Hzと比較的高周波の8〜10Hz,"積極的快"に対応するものとして,3〜9Hzがあげられた。また,「振動刺激による心理的変化」は,一元配置分散分析により刺激前後における心理的指標の差の検定の結果、被験者は「消極的快」刺激により、「安心感」と「満足感」、「快」が誘発され、「覚醒感」は低下すること,「積極的快」刺激では、被験者は「はつらつ」と「さわやか」、「満足感」、「快」が誘発させることがわかった。最後に,「生理的指標と心理的指標との相関関係」では,生理指標である最高・最低血圧と心理的指標との関係を単相関分析により検討した結果、消極的快刺激と積極的快刺激の場合とを比較すると「落ち着き感」「満足感」「快」で相関の傾向は逆となることが明らかになった。
|