2007 Fiscal Year Annual Research Report
トランスポゾンmPingが誘発するイネゲノムの構造変異
Project/Area Number |
17380003
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷坂 隆俊 Kyoto University, 農学研究科, 教授 (80026591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥本 裕 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90152438)
中崎 鉄也 京都大学, 農学研究科, 講師 (60217693)
寺石 政義 京都大学, 農学研究科, 助教 (80378819)
築山 拓司 京都大学, 農学研究科, 助教 (00423004)
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Keywords | イネ / トランスポゾン / mPing / ゲノム / 染色体構造 |
Research Abstract |
mPing挿入が遺伝子発現に及ぼす効果を解析するため、銀坊主で発現している遺伝子の中からmPing配列を含むものをcDNAトランスポゾンディスプレイによって検出した。増幅断片の中から17個を回収してmPingの隣接配列を解析した結果、9箇所について挿入位置を同定することができた。この中の5箇所は遺伝子内部、4箇所は遺伝子近傍であり、この手法によりmPingを含んで転写される遺伝子を効率的に検出・同定することができた。さらに、遺伝子内にmPing挿入が確認されたRurm1遺伝子およびOsKsb遺伝子の発現を調査した結果、mPing挿入箇所の上流部分の発現量が下流部分の発現量よりも大きいことが判明した。このことから、mPingは挿入箇所近傍の遺伝子発現を促進もしくは抑制する効果を有することが示唆された。この点に関しては、さらに多くの遺伝子についてmPing内部に存在するTATAボックスやポリAシグナル配列とmPing挿入の効果との関係を明らかにする必要がある。また、銀坊主に特異的なmPing挿入を利用すれば、多数の特異的挿入を有する銀坊主と日本品種との交雑後代では1000個以上の分子マーカー(mPing-SCARマーカー)を作製できる。この点を確認するため銀坊主特異的mPing挿入150箇所と46個のSSRマーカーを利用して日本晴×銀坊主の後代集団における遺伝子地図を作成した結果、全長1772cM、平均マーカー密度9cMの遺伝子地図が完成した。このマップを利用することにより、遠縁交雑では検出が困難な作用力の小さい出穂期遺伝子座E_2座の位置を特定することができた。銀坊主のmPing-SCARマーカーは分子マーカーの多型頻度が低い日本型品種間の遺伝解析に極めて有用と考えられた。
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Research Products
(4 results)