2006 Fiscal Year Annual Research Report
トウジンビエの作物-雑草平衡多型現象に関わる「雑草型超遺伝子」の構造と機能
Project/Area Number |
17380012
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三浦 励一 京都大学, 農学研究科, 講師 (60229648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 良平 岩手生物工学研究センター, 遺伝子工学第一研究部, 主席研究員 (50236981)
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Keywords | トウジンビエ / 雑穀 / 雑草 / 平衡多型 / ゲノムライブラリー / 遺伝子クローニング / アフリカ / 超遺伝子 |
Research Abstract |
トウジンビエはアフリカやインドの半乾燥地できわめて重要な雑穀の一種である。西アフリカではトウジンビエの畑に脱粒性の雑草型トウジンビエが混生することが常態となっている。筆者らによるこれまでの研究で,作物型と雑草型のさまざまな差異は見かけ上1遺伝子座に支配されていることがわかっており,Weedinessと名付けられたこの遺伝子は実際には複数の遺伝子が緊密に連鎖した「超遺伝子」であろうと推定されていた。この遺伝子をクローニングし解読することが本研究計画の最大の目標であったが,残念ながら現時点においてこれに成功していない。これまでの所見から,この超遺伝子がレトロポゾン様配列などの反復配列を多量に含む領域に位置していることが示唆されており,これがポジショナルクローニングを困難にしていると考えられる。本年度の達成事項は以下のとおりである。 1)約700個体の自殖分離集団に対してAFLP分析を行い,雑草型形質と連鎖した12個のバンドを検出した。このうち9個はゲルから回収しクローニングして塩基配列を決定することができた。 2)RAPDベースのバルク分離法によって得られた3個のシーケンスをもとにCAPSマーカーPgM2〜4を得た。これらはいずれもWeedinessからおおよそ1cM以内にあると推定されているが,正確な位置は決定されていない。 3)表現型効果からイネのlhs1およびトウモロコシのtb1をトウジンビエにおけるWeedinessの候補遺伝子と考え,トウジンビエの作物型・雑草型対立遺伝子の対応領域の変異を調べた。lhs1ではイントロンに変異が見られたがWeedinessとは連鎖していないことがわかった。tb1ではこれまでのところ変異が見つかっていない。 4)集団の遺伝構造モデルを作成する上で必須となる,現地における他殖率を推定するため,現地で収集された穂から育成した集団について形態とマイクロサテライトを分析した。他殖率は作物型個体について95%,雑草型個体について85%と推定された。また,現地集団における雑草型対立遺伝子の頻度は6%と推定された。
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Research Products
(2 results)