2005 Fiscal Year Annual Research Report
スカシユリ花色の品種間差異の発生に関わる遺伝子の単離とRNAiによる機能解析
Project/Area Number |
17380015
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山岸 真澄 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40210348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 清 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60157203)
中務 明 島根大学, 生物資源科学部, 助教授 (40304258)
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Keywords | スカシユリ / アントシアニン / カロチノイド / 花色 / 遺伝子発現 / QTLマッピング / 品種間差異 / RNAi |
Research Abstract |
カロチノイドはスカシユリ花弁における主要な色素の1つであり、カロチノイド発色の遺伝的な背景を明らかにすることは育種の効率化に役立つと期待される。まず花弁にカロチノイドを蓄積する品種'コネチカットキング'とほとんど蓄積しない品種の'モントレー'を用いて遺伝様式を調査したところ、単位面積当たりのカロチノイド含量は量的形質であり複数の遺伝子座に制御されていること、QTL解析の結果'モントレー'の連鎖地図上に寄与率およそ60%の作用力の大きなQTLがあることが分かった。カロチノイドをほとんど蓄積しない'モントレー'がこのQTLをヘテロで持っていることより、このQTLに存在する遺伝子は優性の対立遺伝子がカロチノイドの蓄積を抑制しているものと考えられた。次にカロチノイド色素蓄積の制御機構をより具体的にするために、カロチノイドの合成と分解にあずかる遺伝子をスカシユリより単離し、その転写様式を'モントレー'と'コネチカットキング'の花弁で比較した。ユリ花弁にはβカロチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチン(以上黄色)、エキネノン様カロチノイド、カプサンチン、カプソルビン(以上オレンジ)が含まれているとされている。βカロチン、クリプトキサンチン、ゼアキサンチンを合成するのに必要な酵素遺伝子よりPSY1、PDS、ZDS、CRTISO、HYB、ZEP及びLCYBを単離した。他の植物の遺伝子との系統解析の結果、これらの遺伝子はトマトやニンジンの遺伝子と高い相同性を示し、機能している遺伝子であると期待された。さらにカロチノイドの分解(酸化的開裂)に関わる遺伝子としてCCDを単離した。この遺伝子はクロッカスやトマトのCCD遺伝子とホモロジーを示した。これらの遺伝子の花弁における発現様式を両品種で比較して、カロチノイド蓄積のキイとなる遺伝子を明らかにした。アントシアニンについても同様な解析を行った。
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Research Products
(3 results)