2005 Fiscal Year Annual Research Report
トマト草勢調節因子の解析-QTLを利用した園芸作物の生理生態的特性解明の試み-
Project/Area Number |
17380017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉山 信男 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30012040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 圭介 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40211461)
峯 洋子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (70282704)
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Keywords | 園芸学 / 遺伝子 / QTL解析 |
Research Abstract |
園芸作物の多くは,その発育過程において栄養成長と生殖成長が長期にわたって同時進行する。このため,"草勢"と果実成長との間のバランスを最適化することが高品質果実多収の最大の鍵となるが,「生殖成長と拮抗する"草勢"がどのような素過程・要因から成っているのか?」という最も基本的な問題を量的遺伝子座解析法(QTL解析法)によって解明することが本研究の目的である。QTL解析のために2004年5月にトマト野生種(Lycopersicon pimpinellifolium)と栽培種Lycopersicon. esculentum cv.570018を交配し,これに570018系統を戻し交配した組換え自殖系統を現在作成中であり,今年度はBC_1F_2180系統,BC_2F_1110系統から始めて,BC_1F_3とBC_3F_2まで世代を進めることができた。また,BC_1F_4で花房着生節位や開花までの日数などの形質評価を行なうことにしているので,世代促進と同時にBC_1F_3156系統を用いて連鎖地図の作成を行った。このため88個のSSRマーカー,40個のCOSIIマーカー,29個のCAPSマーカーを用い,得られたPCR産物を3%アガロースゲルで分離し,両親に多型が現れるか,どうかの調査を行なった。その結果,31のSSRマーカー,6つのCOSIIマーカーにおいて多型が認められた。系統間で多型が認められたのは,そのうち25であった。アガロースの代わりに13%ポリアクリルアミドを用いると,47個のSSR,10個のCOSII,4個のCAPSマーカーでも多型が認められ,合計61個のマーカーが得られた。現在,このマーカーを100に増やすことを目指して実験を継続中である。
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