2006 Fiscal Year Annual Research Report
栽培加工による硝酸低減化・高機能性および味質改善水耕葉菜類の生産技術の開発
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17380025
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
井上 興一 佐賀大学, 農学部, 教授 (50087897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染谷 孝 佐賀大学, 農学部, 助教授 (30154719)
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Keywords | 栽培加工 / 味質改善野菜 / 硝酸低減化野菜 / ステビア抽出成分 / レバウディオシド-A / ステビオシド / アスコルビン酸 / 水耕栽培 |
Research Abstract |
1.培地へのケイ酸添加による硝酸低減化野菜生産の検討:前年度、葉部NO_3-N含量を400mg/kg新鮮重以下に激減させることに成功したが、生育速度の低下が問題であった。今年度、低硝酸濃度培地ヘケイ酸を添加して栽培するとコマツナの生育速度を落とすことなく葉部NO_3-N含量を20〜30%低下させることが明らかとなった。今後、ケイ酸を常時添加した状態で、低硝酸濃度で収穫直前まで栽培後、窒素源のみを数日間絶った場合の生育速度と葉部NO_3-N含量との関係を検討する予定である。 2.アスコルビン酸(AsA)を付加した味質改善野菜の開発:前年度、葉菜類に味質の良いRebaudioside-A(Reb-A)多量に含むステビア甘味料とAsAを同時導入することでえぐみを緩和した甘みを持つ葉菜類の生産に成功した。また、AsA処理はReb-Aの植物体への導入を促進する傾向があったので、前年と異なる品種のレタスで、このことの確認とより詳細な検討を行った。この結果、AsA3000mg/L処理はAsA無処理に比べてReb-Aを4倍以上導入できることが明らかとなり、AsA自体も80mg/100g新鮮重以上に含まれることが認められた。官能試験では、Reb-Aが20〜40mg/100g新鮮重の範囲で甘味度が高く食べ易い傾向があると評価された。 3.香り成分、AsAおよび甘味成分の同時導入:甘味成分はReb-A高含有品の0.2、0.5%濃度、AsAの処理濃度は3000mg/Lの条件で香料会社から提供して頂いた水溶性香料(メロンおよびペパーミントフレーバー)を導入した。なお、高濃度のAsA処理では葉部の萎凋が激しいので、処理温度を25℃から15℃に下げて処理を行った。この処理葉菜類の官能試験で、明らかな香りがするとの評価が得られ、2種の香り成分とも植物体に導入されていることが確認された。また、レタスに対する香りとしてメロンフレーバーが適切であるとの評価を得た。
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Research Products
(1 results)