2007 Fiscal Year Annual Research Report
重イオンマイクロビーム利用による昆虫の生体損傷修復機構の解析
Project/Area Number |
17380036
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
木口 憲爾 Shinshu University, 繊維学部, 教授 (50262697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 孝治 信州大学, 繊維学部, 助教 (00293499)
小林 泰彦 日本原子力研究開発機構, 高碕量子応用研究所, グループリーダー (50354957)
志田 敏夫 信州大学, 繊維学部, 准教授 (40162599)
佐藤 茂 日本医科大学, 中央電子顕微鏡施設, 助教 (10125073)
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Keywords | カイコ / 重イオンマイクロビーム / 造血器官 / eIF2αキナーゼ / Sf9細胞 |
Research Abstract |
昨年度、本研究により重イオン照射造血器官崩壊期特異的に強く検出されるタンパク質を検出し、ペプチド-マス-マッピング法でそのタンパク質の同定を試みたところ、eIF2 α kinaseと推定された。eIF2 α kinaseは真核細胞に置いて小胞体ストレスなどに応答して、細胞のタンパク質合成を制御し、場合によってはアポトーシスを誘導するなど、様々な細胞ストレスに対する応答のkeyとなるタンパク質である。そこで、eIF2αおよびリン酸化eIF2α特異抗体を用いて照射造血器官におけるeIF2αのリン酸化を経時的に調査した。しかし、リン酸化eIF2αは調査したどのステージでも検出され、特に崩壊期に強く検出されることはなかった。そこで、eIF2 α kinase遺伝子をクローニングし、重イオン照射造血器官における発現を調べた。まず、カイコで唯一報告されているeIF2 α kinaseであるBeKの配列を基にプライマーを設計し、RT-PCR法でBeKのクローニングを試みた。その結果、1本の増幅断片が得られ、シークエンスの結果、BeKであることが確認された。つぎに様々な組織における発現を調査したところ、精巣において強い発現が認められた。最後に照射造血器官における発現を調査した。その結果、照射造血器官における発現の増大が示唆されたものの、抽出できたRNA量が少なくBeK mRNA量の正確な定量は出来なかった。現在、再度定量を行っている。
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Research Products
(6 results)