2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17380043
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
江澤 辰広 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (40273213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久我 ゆかり 信州大学, 農学部, 助教授 (30232747)
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Keywords | アーバスキュラー菌根菌 / 共生 / リン酸 / ポリリン酸 / オルガネラ / 耐酸性 |
Research Abstract |
アーバスキュラー菌根菌におけるリン酸輸送メカニズムを明らかにするために、リン酸輸送に関与するオルガネラの単離・特性解析とリン酸輸送速度の解析を行った。 1.オルガネラ単離・特性解析 菌糸内では土壌から吸収したリン酸からポリリン酸を合成し、オルガネラ(未知)中に蓄積していると考えられる。そこで、大量に集めた外生(根外)菌糸からポリリン酸を多く含む細胞器官の分画を試みた。マリーゴールドを宿主として培養した菌根菌の外生菌糸500-1,000mgを収穫後、直ちに氷冷した乳鉢上で磨砕し、Percoll連続密度勾配遠心により分画した。比重1.06-1.10g mL^<-1>の画分には、ポリリン酸が多く含まれ、分画前と比べで約10倍に濃縮(タンパク質含量あたり)された。この画分にATPを加えて、30℃で30分インキュベートしたところ、ポリリン酸合成活性が検出された。この合成活性の駆動力について、液胞型H^+-ATPaseとの共役の有無を確かめるために、液胞型H^+-ATPaseの阻害剤であるBaffiromycin A_1を反応液に添加したところ、ポリリン酸合成活性の低下は認められなかったことから、本菌におけるポリリン酸の合成は、ATPを直接の基質として行われていると推測された。今後は、分画されたオルガネラの純度をについて、マーカー酵素や電子顕微鏡などにより検走する予定である。 2.リン酸輸送速度解析 菌糸中をポリリン酸が移動する速度を測定する実験系を確立し、温度、pH、無機養分などの環境因子が、リン酸輸送速度に及ぼす影響を明らかにすることが目的である。今年度はこれまでの速度推定に用いていたモデルに誤りが見つかったため、モデルの修正を行った。また、より精細な時間設定で測走を行い、ポリリン酸が菌糸中を1cm進むのに要する時間を5-5.5時間(1.8-2.0mm h^<-1>)と推定することができた。
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Research Products
(2 results)