2005 Fiscal Year Annual Research Report
イネ窒素転流・同化機構における器官・細胞間高次統御系分子基盤のポストゲノム解析
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17380045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
早川 俊彦 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (60261492)
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Project Period (FY) |
2005 – 2007
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Keywords | 植物 / ゲノム / シグナル伝達 / 生理学 / バイオテクノロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
・イネ染色体置換系統群(SLs)とこれらの組換え系統群を用いて、玄米千粒重に関する連鎖解析を行った。その結果、玄米千粒重を規定しているイネ第11染色体上のQTLの存在領域を約1.0Mbまで絞り込んだ。 ・イネ戻し交雑自殖系統群(BILs)を用いた解析により、アンモニウムの低濃度供与下または高濃度供与下で地上部の生育と乾物重に影響を与えるQTLをイネ染色体上にマッピングした。この内、特に高濃度アンモニウム供与下で地上部長の増加を促進する第11染色体上のQTLを約3cMの領域に絞り込んだ。 ・イネ根においては、アンモニウム供与に伴い表皮・外皮で誘導的かつ短時間で発現蓄積するNADH依存性グルタミン酸合成酵素(NADH-GOGAT)がアンモニウムの初期同化における鍵酵素である。アンモニウム供与下のイネ根におけるミトコンドリア型NAD-イソクエン酸脱水素酵素(IDH)の転写産物と翻訳産物の発現蓄積特性は、NADH-GOGATの発現蓄積特性と酷似したことから、根におけるNADH-GOGAT反応にIDHが基質としての2-オキソグルタル酸を供給している可能性が示唆された。 ・イネNADH-GOGATパラログ遺伝子のNADH-GOGAT2遺伝子を新規に単離し、同遺伝子のイネにおける発現特性を解析した。 ・イネにおけるサイトゾル型グルタミン合成酵素パラログ遺伝子(OsGS1 ; 3)を新規に単離した。OsGS1 ; 3は登熟過程と発芽過程の種子において特異的に発現することを確認した。 ・イネにおけるグルタミン(Gln)情報伝達系でのGlnセンサー候補OsACR3およびGlnトランスポーター候補OsGlnTR1 ; 1、OsGlnTR1 ; 2に関してRNAi法による遺伝子発現抑制イネ当代群を作出後、これらの自殖後代について解析を進めた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Localization of NAD-isocitrate dehydrogenase and glutamate dehydrogenase in rice roots : candidates for providing carbon skeletons to NADH-glutamate synthase.2005
Author(s)
Abiko, T., Obara, M., Ushioda, A., Hayakawa, T., Hodges, M., Yamaya, T.
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Journal Title
Plant Cell Physiol.
Volume: 46-10
Pages: 1724-1734
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[Journal Article] Differential distribution of proteins expressed in companion cells in the sieveelement-companion cell complex of rice plants.2005
Author(s)
Fukuda, A., Fujimaki, S., Mori, T., Suzui, N., Ishiyama, K., Hayakawa, T., Yamaya, T., Fujiwara, T., Yoneyama, T., Hayashi, H.
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Journal Title
Plant Cell Physiol.
Volume: 46-11
Pages: 1779-1786
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