2005 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムによるショ糖の輸送阻害に基づく植物生育抑制機構の解明
Project/Area Number |
17380049
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山本 洋子 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (50166831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 孝行 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60362985)
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Keywords | アルミニウム / ショ糖輸送 / 植物生育阻害 |
Research Abstract |
アルミニウム(Al)イオンは植物根の生育を著しく阻害するが,その阻害機構はまだ解明されていない。本研究では、タバコ培養細胞とタバコ植物体を用い、原形質膜を介したショ糖吸収に対するAlの阻害効果を解析した。 まず、タバコ細胞におけるショ糖吸収特性を解析した。タバコ細胞を、異なる濃度のショ糖を含み(^<14>C-ショ糖を含む)且つ浸透濃度が一定になるようにマンニトールで調整した溶液中に懸濁し、^<14>C-ショ糖の取り込み速度を解析した。その結果、タバコ細胞では、ショ糖濃度に応じて、高親和性と低親和性の取り込みが認められた。さらに、高親和性のショ糖取り込み機構について阻害剤を用いて検討した結果、タバコ細胞に見られるショ糖の取り込みは、ショ糖-プロトン共輸送体とエンドサイトーシスを介したものの両方が示唆された。次に、Alのショ糖取り込みへの影響を検討した。その結果、高親和性ならびに低親和性のショ糖吸収が、Al添加後30分後には、30%から60%程度阻害されることが明らかとなった。従って、Alによるショ糖吸収阻害は、Alによる初期障害の一つであることが明らかとなった。 次に、タバコの幼植物体を用いて、根におけるショ糖吸収に対するAlの効果を解析した。タバコの根端からの吸収について、培養液に^<14>C-ショ糖を添加し3時間目と24時間目で見たところ、一定速度での糖吸収が見られた。次に根伸長を阻害する濃度のAlを添加したところ、Alによるショ糖吸収阻害がみられ、阻害率は、3時間目と24時間目で一定であった。以上の結果より、タバコ細胞のみならずタバコの根においても、Alは糖の吸収を阻害することを明らかにした。
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Research Products
(4 results)