2005 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌の膜孔形成毒素における膜孔形成及び標的細胞崩壊機構の解明
Project/Area Number |
17380050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
神尾 好是 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00109175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 淳 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30221188)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / γヘモリジン / 2成分性溶血毒素 / 膜孔形成機構 / 標的細胞認識 |
Research Abstract |
黄色ブドウ球菌が大量に分泌し、感染に重要な役割を果たす2成分性毒素ロイコシジン(LukFとLukSから成る)並びにγヘモリジン(LukFとHlg2から成る)は標的細胞膜上にヘテロ7量体の中間体を経て膜孔を形成し、70〜100個の膜孔が集合して『超チャネル』を形成し溶血を促進する。ロイコシジンによる白血球崩壊には膜孔形成のほかに、さらにLukSの白血球膜上のプロテインキナーゼによるリン酸化が必須である。2003年〜2004年に申請者らは、γヘモリジンの『超チャネル』形成までの6行程のリアルタイムでの可視化に成功し、膜上における『超チャネル』の形成機構を明らかにした。さらに膜孔形成における重要アミノ酸残基を同定した。しかしながら、膜孔の精密構造、毒素分子が膜に突き刺さるタイミング、標的細胞膜のレセプターの同定、及びロイコシジンにおける膜孔を介するシグナル伝達の仕組みは未解決である。本研究でわれわれは毒素の各成分の標的細胞膜への結合のか如する因子を探索するとともに、1分子測定技術を駆使して毒素分子が膜に突き刺さるタイミングをナノメートルオーダーでリアルタイムで解析した。また、上記毒素遺伝子の発現調節遺伝子の同定を行った。その結果、(1)LukFの赤血球膜への結合に関与するアミノ酸残基を同定し、コリン残基結合部位変異体の詳細な解析を行って、stem伸長のタイミング及び膜上の因子との結合に必須なアミノ酸残基を同定した。(2)疎水的な環境におかれると蛍光を放つBadanをLukF成分のprestemに導入し、一分子技術を用いてstemの細胞膜中への貫入の可視化に成功した。Stemの貫入に伴う蛍光の増加は第2の成分(Hlg2)を作用させた後にのみ観察され、一つの膜孔を開口するには少なくとも3分子のLukF分子が必要であることを明らかにした。(3)Luk及びHlgが膜孔を形成する過程で、標的細胞膜上の脂質ラフトが重要な役割を果たしていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)