2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸菌バクテリオシン探索のハイスループット化と発酵生産の総合システム化
Project/Area Number |
17380054
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
園元 謙二 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10154717)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 二郎 九州大学, 大学院・農学研究院, 助教授 (40217930)
|
Keywords | バクテリオシン / 乳酸菌 / ナイシン / スクリーニング / 多変量解析 / LC / MS / 抗菌スペクトル / 主成分分析 |
Research Abstract |
様々な目的・対象・要求などに対応するには、多種多様なバクテリオシンを取り揃えておくことが重要である。そこで、スクリーニングの初期、すなわち試験管レベルの培養液上清の段階、での新奇性を判定し、新奇バクテリオシンの探索に要する時間の大幅な短縮、さらにはハイスループット化を目指した。 乳酸菌バクテリオシンには様々な特性があるが、培養液上清を用いて新奇性を迅速・簡便に判定するにあたり、最も差別化を図りやすいと考えられる抗菌スペクトルと分子量を指標とすることとした。抗菌スペクトルの解析には、すでに確立していた迅速・特異的な抗菌活性試験法を利用した。また、これまでの研究成果から選抜されたバクテリオシン感受性株、十数菌株を検定菌として設定し、抗菌スペクトルを調べた。培養液上清が各検定菌に対して示す抗菌活性を数値化、データベース化し、多変量解析法の一つである主成分分析によって解析した。分子量は、高速液体クロマトグラフィー質量分析計(LC/MS)を用いて培養液上清から直接測定した。 抗菌スペクトルの主成分分析では、バクテリオシンを3から4のグループに分類することができた。この方法では類似した抗菌スペクトルのものほど、グラフ上で近くに位置するため、既知バクテリオシンと未同定のバクテリオシンの位置を比較することで、新奇性を判定することが可能となった。これまで抗菌スペクトルの解析は経験に頼ることが多かったが、この手法を用いることで誰にでも客観的な判断を下すことが可能となった。LC/MSによる分子量の解析では、3つのナイシン類縁体(A、Z、Q)をはじめとする数種のバクテリオシンの検出と同定が可能となった。さらに、検出されるイオンの範囲を限定することで未同定のバクテリオシンの分子量を決定することも可能となった。本ハイスループット化技術の導入によって、新奇バクテリオシンの検出に要する時間が大幅に短縮された。
|
Research Products
(6 results)