2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜受容体の選別輸送制御におけるカルシウム結合蛋白質ALG-2の作用機構
Project/Area Number |
17380063
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
牧 正敏 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 教授 (40183610)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
人見 清隆 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (00202276)
柴田 秀樹 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助手 (30314470)
|
Keywords | カルシウム / 多胞性エンドソーム / エンドサイトーシス / ユビキチン / EGF / Alix / TSG101 / 小胞輸送 |
Research Abstract |
ESCRT(endosomal sorting complex required for transport)-I,-II,-III因子群はエンドサイトーシスにより細胞内に取り込まれた膜表面上の受容体がさらにエンドソーム膜の内部に陥入(出芽)する過程に作用すると考えられている。ESCRT-IのTSG101ならびにESCRT-III構成因子のCHMP4と相互作用するAlixは、カルシウム結合蛋白質ALGF2とカルシウム依存的に結合する。本研究は、Alixと相同性のあるHD-PTPがAlix相互作用因子のうち、どの因子と結合するか解析をし、CHMP4、endophilin、TSG101、ALG-2とは結合するが、RabGAPLPおよびCIN85とは結合しないことを明らかにした。AlixとTSG101の相互作用はカルシウムイオン存在下で増強することも見出した。新しいESCRT-III関連因子CHMP7の機能を解析した。CHMP7は他のESCRT-III因子(分子量約2万)と異なり、サイズが2倍あり、N末端側にユニークな領域をもつ。CHMP7は同じくESCRT-IIIに属すCHMP4と相互作用すること、集合したESCRT-IIIを解離させる働きをもつAAA型ATPase Vps4B変異体SKD1^<E235Q>を発現すると異常なエンドソームを形成するがCHMP7も集積すること、CHMP7-GFPを過剰発現させるとマウスレトロウイルスGagによって形成されるウイルス様粒子の培地中への放出が減少することを明らかにした。CHMP7のN末端領域と相互作用する因子の探索を行い、いくつかの候補を得たが、C末端に膜貫通領域をもつものが含まれていた。C末端に膜貫通蛋白質の膜への埋め込み機構は不明であり、CHWP7の関与の可能性は興味深い。ウイルス様粒子の放出におよぼすカルシウムイオンの影響を調べたが、実験系が不安定であり、有意な効果を検出することはできなかった。一方、ALG-2の新規相互作用因子として、小胞体からゴルジへの輸送に関与するCOPII小胞の構成因子であるSec31を同定した。ALG-2はカルシウムイオン存在下でSec31がER出口部位へ蓄積することを制御している可能性が示唆された。
|
Research Products
(3 results)