2006 Fiscal Year Annual Research Report
転写因子・核内受容体による脂質代謝制御と食品機能解析
Project/Area Number |
17380077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 隆一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 教授 (50187259)
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Keywords | 脂質 / 食品 / 転写因子 / 核内受容 |
Research Abstract |
脂質代謝の中心臓器である肝臓、小腸では、精密な調節機構によりその代謝恒常性は維持されている。摂食後とその反対の空腹時に、生体内では種々の脂質代謝酵素活性が転写レベルで目覚ましく変動している。これに関わる因子として、コレステロール・脂肪酸代謝に関与する転写因SREBPについて申請者はその発見から関与し、ここ10年間機能解析の研究を行ってきた。また、2000年代に入り、種々の核内受容体(LXR、FXR、LRH-1、SHP、HNF-4、PPAR等)が脂質代謝調節に関与することが明らかにされ、申請者はこれら核内受容体がSREBPとクロストークし、恒常性維持のバランスが取られていることを明らかにしつつある。本年度は、SREBPと相互作用する核内受容体の解析を行い、LRH-1が結合し、互いの転写活性を負に制御することを見いだした。LRH-1はコアクチベーターであるPGC-1αをリクルートし、転写活性を作動させるが、SREBPはこの結合を阻害し、転写活性を負に制御することを明らかにした。LRH-1は胆汁酸合成経路の律速酵素CYP7A1、HDL産生に関与するApolipoprotein A-I、Adiponectinの遺伝子発現を促進することから、SREBPはこれら遺伝子発現に間接的に関与していることになる。新たな代謝制御機構を明らかにできた。
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Research Products
(1 results)