2005 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーの栄養的制御機構:アミノ酸シグナリングと食品制御
Project/Area Number |
17380078
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
門脇 基二 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90126029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 忍 新潟大学, 自然科学系, 助教授 (20282999)
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Keywords | 栄養学 / タンパク質分解 / オートファジー / アミノ酸 / シグナル伝達 / 食品 |
Research Abstract |
A.オートファジーに対するアミノ酸のシグナリング機構の解析 1)細胞膜上のアミノ酸センサーの同定と解析:ロイシン結合タンパク質p103に対する特異抗体を数種類作成し、ロイシンのオートファジー調節作用を修飾するか否か検討しているが、明確な結果が得られていない。 2)アミノ酸作用の細胞内シグナリング経路の解析:細胞種の違いによるシグナリングを検討するため、単離肝細胞、灌流肝臓、培養H-4-II-E細胞を用いて、調節性アミノ酸のERK1/2のリン酸化とオートファジーに対する影響を調べた。その結果、どの細胞でもオートファジーの調節作用は共通であるが、ERKリン酸化の方向性、ERK阻害によるオートファジー調節機能の消失の応答には細胞種により違いがあった。 3)アミノ酸シグナルのターゲットとしてのLC3の解析:オートファジー開始段階のマーカータンパク質であるLC3が、特にサイトゾル中のI-型からII-型への修飾反応をモニターすることにより、10〜20分という短いアミノ酸の作用を検出することに成功した。これは、アミノ酸のシグナリングの最下流のターゲットがこの段階であることを強く示唆するものである。 B.食品成分によるオートファジーの調節 1)米タンパク質のオートファジー活性化機構:他の食品タンパク質に比べて米タンパク質がタンパク質分解を促進するという効果の機構を探るべく努力したが、この一年間にわたる実験を通して再現性が得られず、進展していない。 2)抗酸化剤とオートファジーの関係:ビタミンCでは、当初、結果が得られなかったが、偶然、アミノ酸による抑制条件下でのみ促進効果が見られた。その後、ビタミンEについても調べたところ、今度はアミノ酸の有無に関わらず促進効果が見られた。この効果をLC3修飾反応で確認したところ、同様のキネティクスで調節が見られ(ビタミンC:ED_<50>=5μM、ビタミンE:ED_<50>=12μM)、これら抗酸化剤はオートファジー開始段階で作用することが証明された。
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