2005 Fiscal Year Annual Research Report
マウス2番染色体に存在する、高脂肪食により誘発される2型糖尿病の原因遺伝子の同定
Project/Area Number |
17380084
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
堀尾 文彦 中部大学, 応用生物学部, 教授 (20165591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池上 博司 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20221062)
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Keywords | 2型糖尿病 / マウス / QTL解析 / 耐糖能 |
Research Abstract |
(1)SMXA-5マウスの2型糖尿病遺伝子座:t2dm2saを含む2番染色体断片(約120Mb)をSM/Jマウスに導入したコンジェニック系統(SM.A-t2dm2sa)の、導入された染色体断片をさらに再分化して有するサブコンジェニック系統の7種類を作出完了した。そして、それらのうちの4系統の高脂肪食摂取下での糖尿病形質を解析した。それらはすべて2型糖尿病形質を示し、最初の約120Mbの領域に少なくとも2つの糖尿病遺伝子が存在することが明らかとなった。 (2)マウスゲノム情報を利用してt2dm2saの候補遺伝子の探索を行い、候補遺伝子としてLXRαとJNK interacting protein 1(JIP-1)を選択し、それらのORFの塩基配列を解析したところ、SM/Jに対してLXRαは完全一致した。しかし、JIP-1には1アミノ酸の置換をもたらす塩基の変異が観察された。今後は、両遺伝子の候補遺伝子の可能性をさらに追求していく。 (3)SM.A-t2dm2sa系統と対照系統であるSM/Jの高脂肪食摂取下での肝臓、脂肪組織、骨格筋のRNAを用いて、DNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現を網羅的に解析した。SM.A-t2dm2saの脂肪組織では、マクロファージに発現する遺伝子(MCP-1,CCR2,F4/80)の発現上昇が見られ、このことは脂肪組織へのマクロファージの浸潤が進行していることを示している。近年、このマクロファージの浸潤が脂肪組織や他の組織のインスリン抵抗性を惹起し、糖代謝の低下を引き起こすことが明らかになりつつあり、SM.A-t2dm2saのインスリン抵抗性と糖代謝の一因であろうと推測している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Ascorbic acid deficiency stimulates hepatic expression of inflammatory chemokine, cytokine-induced neutrophil chemoattractant-1, in scurvy-prone ODS rats.2006
Author(s)
Horio, F., Kiyama, K., Kobayashi, M., Kawai, K., Tsuda, T.
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Journal Title
J.Nutr.Sci.Vitaminol. 52(1)
Pages: 28-32
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