2006 Fiscal Year Annual Research Report
東北地方の落葉広葉樹林の多様性維持メカニズムの解明とその再生プログラムの構築
Project/Area Number |
17380087
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清和 研二 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (40261474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陶山 佳久 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (60282315)
小山 浩正 山形大学, 農学部, 助教授 (10344821)
杉田 久志 森林総合研究所, 東北支所, チーム長(研究職) (60154473)
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Keywords | 落葉広葉樹林 / 種多様性維持メカニズム / スギ人工林 / 種多様性回復 / 間伐強度 / 構造方程式モデル |
Research Abstract |
1.広葉樹天然林における種多様性維持機構の解明 種多様性に富む広葉樹天然林に設定した大面積試験地(宮城6ha)を用いて、種多様性に関与する複数の要因の解析を同時に行った。6ha試験地を600個の10mx10mの方形区に区分し、それぞれの水分、栄養塩(N)濃度、光量、リター量、ササ、低木の被度など無機環境の調査を行ない、これらの環境要因が実生・稚樹の分布や種多様性に与える影響をL関数、多重ロジステックモデルやSEM(構造方程式モデル)などを用いて解析した。今年度は主要5種の実生から親個体まですべてのサイズ、位置を測定し、個体の発達段階に応じて,どの要因がどの程度影響するのかを解析した。その結果、実生・稚樹の分布には実生密度や親木からの距離などの要因が影響し,次第に水分、栄養塩(N)濃度、光量などが大きく作用することが明らかになった。 また、生物的な要因が実生・稚樹の分布や種多様性に与える影響の解析するために、落葉広葉樹4種の相互植え替え(播種)試験を行い、複数種におけるJanzen-Connell仮説の検証とその作用機構の解明をおこなった。その結果、実生の死亡は同種の親木下で高く他種の下では低いという結果が得られた。さらにコレトトリカム属菌の種特異的な感染を検定したところ、多犯性と言われてきたこの菌の種特異性が示唆された。 II.種多様性回復過程の解析と有用広葉樹生産のための試験地の設定とモニタリング スギ人工林に間伐強度を変えた9haの試験地を設定した。今年度は種多様性の回復過程の調査を行なったところ、間伐3年目では、強度間伐ほどより種多様性が増加していることが明らかになった。
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Research Products
(7 results)