2005 Fiscal Year Annual Research Report
有機性廃棄物の混合コンポスト化と荒廃地緑化への有効再利用に関する実証的研究
Project/Area Number |
17380094
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
嶋 一徹 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (80274017)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹川 英夫 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40115572)
|
Keywords | 生態系修復・整備 / 廃棄物再資源化 / 林学 / 荒廃地緑化 / 環境 |
Research Abstract |
わが国の産業廃棄物の総排出量は平成15年度約4億トンに達しっており、ここ数年は高い値を推移している。このため廃棄物リサイクル率の向上が望まれており、緑化工分野でも有機性廃棄物や未利用資源の積極的なリサイクル活用を行い、資源の循環再利用システムを確立していく必要が高まっている。このような状況下、本研究は有機性廃棄物の個々の特性を生かして複合コンポスト化することにより、荒廃地緑化に有効再利用するための実用的な方策を確立することを目的とした。 当該研究課題初年度に得られた研究成果の概要は以下の通りである。 1)有機性廃棄物として畜産廃棄物、下水汚泥ケーキおよび木質系有機廃棄物を原材料として用い資源再利用の方策を確立するために、有機質廃棄物の理化学的特性ならびに分解特性に関する特性を比較した。その結果、脱水汚泥ケーキを原材料とする各種汚泥コンポストの性質は、発酵と水分調整に用いる副資材の性質の影響を強く受けており、剪定カスを多量に混合したコンポストでは炭素率の高さから施用後に二次発酵と窒素有機化にともなう植生生育への影響が懸念された。また、主要有害重金属濃度のうち亜鉛濃度は下水汚泥の性質と副資材の混合割合を反映しており、高分子沈殿剤を用いた下水汚泥に比べて、カルシウム資材を沈殿剤に用いた下水汚泥を原材料とした場合の方が、土壌施用後の移動が少ないことが予想された。 2)各種の未分解木質系有機廃棄物とコンポストを混合して野外条件における分解特性を比較検討した。その結果、{針葉樹風倒木チップに比べて、モウソウチクチップを混合した場合には、分解初期の炭酸ガス放出速度が高い事実を明らかにした。さらに、緑化用遅効性肥料を同時に施用した場合、通常の化成肥料を施用した場合より窒素無機化速度が抑制され、養分流亡ならびに窒素飢餓の状況を回避できることが明らかになった。
|
Research Products
(2 results)