2006 Fiscal Year Annual Research Report
シロアリのグルーミング習性を利用した回収型土壌処理ユニット
Project/Area Number |
17380106
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
角田 邦夫 Kyoto University, 生存圏研究所, 助教授 (30127104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40230809)
山岡 亮平 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (00111948)
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Keywords | 日本産地下シロアリ / グルーミング / 非忌避性化合物 / 停止物質 / 回収型土壌処理ユニット / 低環境負荷シロアリ管理 / イエシロアリ / ヤマトシロアリ |
Research Abstract |
回収型土壌処理ユニットに利用する土壌、非忌避性薬剤の効果、効果促進のための停止物質に関する室内実験を実施し、以下の結果を得た。 (1)回収型土壌処理ユニット用フィプロニル処理土壌を用いた穿孔試験 日本産地下シロアリとして重要な2種のシロアリであるイエシロアリとヤマトシロアリに関して行った。非忌避性で接触毒性が高いフィプロニルによって重量当り5,50,100,150,200ppmになるように調製した土壌への穿孔距離を全シロアリが死亡するまで測定した。シロアリ種による差異はほとんどなかった。無処理土壌では全長に当たる50mmをシロアリは1日で穿孔した。最低試験濃度である5ppmでは、5日後に全シロアリが死亡したが、平均穿孔距離は2-3mmであった。50ppm以上では2〜5日後に全シロアリが死亡し、穿孔距離は2mm以下であった。実験結果から、日本産地下シロアリの処理土壌への穿孔は処理濃度50ppm以上で阻害され、回収型土壌処理ユニットに使用する土壌の処理濃度は5ppmが適当であると査定された。回収型土壌処理ユニットはレスケミカルな低環境負荷シロアリ管理法として可能性があることが示唆された。 (2)フィプロニル処理土壌接触職蟻から非接触職蟻への二次伝播 フィプロニル処理した土壌に健全なイエシロアリあるいはヤマトシロアリ職蟻を1時間接触させた後、非接触個体と共にシャーレに入れ、グルーミングによって死亡する個体数の経時変化を測定した。実験区毎に試験結果がバラツキが大きかったが、接触個体と非接触個体との混合割合の影響が認められ、混合割合1:1の場合が1:10よりも効率的に二次伝播が生じた。死亡したイエシロアリ1個体当たり6.3ngのフィプロニルを検出した。処理後の保管期間による効力低下も検討し、紫外線の影響がない暗所での40ケ月間の保管では、効力の低下は認められなかった。 (3)シロアリ停止物質の検索 シロアリ巣の構成物質を検討した結果、単独の物質では停止効果が低いことが判明し、むしろ飼育に用いたろ紙の抽出物などに停止効果が認められた。混合物の効果を研究する価値があろう。
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Research Products
(6 results)