2005 Fiscal Year Annual Research Report
木粉・プラスチック複合材の耐候性・耐腐朽性に及ぼす水分の影響の解明
Project/Area Number |
17380109
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
木口 実 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 室長 (50353660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 厚 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究官 (80353639)
桃原 郁夫 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, チーム長 (60222345)
松永 浩史 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 研究員 (80391184)
西村 健 独立行政法人森林総合研究所, 木材改質研究領域, 主任研究官 (10353799)
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Keywords | 環境材料 / 高分子構造・物性 / 木材加工・処理 / 長寿命化 / 廃棄物利用 |
Research Abstract |
本研究は、木材・プラスチック複合材(WPC)の耐久性を向上させるために、その劣化要因と予想される水分のWPC中への浸透機構を解明し、劣化との関係を明らかにすることである。17年度は、WPCの耐候性、耐久性の把握及び水分浸透経路の可視化の可能性について検討を行った。 1.市販WPCの促進耐候性試験を行った結果、木粉とポリプロピレン(PP)との複合材は短時間の試験で退色が生じ、試験500時間では試験片はほぼ白色化を呈した。 2.木粉とPPとの配合割合を変えたWPCを調製し耐候性試験を行った結果、木粉含量が多いほど退色が早く生じた。 3.木粉を反応性紫外線吸収剤により改質し光安定化を行いPPと複合化させた結果、木粉の光安定化による退色抑制効果は小さかった。 4.WPC表面をマイクロスコープにより観察した結果、短時間の促進耐候性試験においても白色化は木粉と共に周囲のPPにも進行し、表面に粉状のチョーキング物質が生じた。 5.チョーキング物質をFTIRにより分析した結果、木材とPPの混合物であることが判明した。 6.WPCに顔料を添加することにより、退色を大きく抑制できることが分かった。しかし、表面のチョーキング現象の抑制はできなかった。 7.市販WPCの水中浸漬試験を行った結果、木粉量60%程度以下では1週間の試験でも水分はほとんど浸透しなかった。しかし、実際の屋外使用では腐朽や水分の浸透が生じることから、WPCへの吸水速度は非常に遅いことが予想された。このため、WPCの耐久性を評価するための水分浸透促進試験法の開発が重要である。 8.WPC中への水分浸透を可視化するために蛍光染料を用いた結果、蛍光顕微鏡観察によりWPC中への水分浸透の可視化が可能であることが分かった。 来年度は、蛍光染料を用いたWPC中の水分浸透経路の可視化技術の更なる検討、WPCの生物劣化評価、木粉の化学的改質による耐久性向上効果の検証を主に検討する。
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Research Products
(7 results)